N auto plan　エヌオートプランさんのバイクショップの整備・カスタム作業録日記 「年式 平成一桁の4輪 キャブレーター修理」

4輪のキャブ車。

滅多に見なくなりましたね~。

約30年前の車ともなると、もう立派な旧車でしょうね。

冷間時始動の不調にてご相談頂きました。

平成初期頃というと、EFIに移行する過渡期といった時代だったでしょうか?

この頃のキャブレーターというと、快適さを追求した集大成の様な仕組みになっています。

各部に配管やバイパス、プランジャー、リンク機構等々が装備されており、シングルキャブでも、オートバイのキャブレーターと比較すると、非常にごちゃごちゃとしたレイアウトになっています。

今回の不調の原因は、そんな快適を目指した装備の中の、オートチョークと言うかアイドリングアップをさせる機構の不具合でした。

簡単に言うと、サーモワックスの膨張を用いて、水温の上昇に合わせてアイドリングが落ち着く様にプランジャとバタフライを制御する様な仕組みです。

スロットルのストッパーとなる部分が経年の劣化により痩せてしまい、意図したバタフライ開度にならないと言う状況でした。

通常であれば部品交換ですが、案の定、純正廃盤。

お客様と相談の上、肉盛りによる簡易な補修で済ませることになりました。

エンジンを完全に冷ましては、サーモワックスに熱が入るまでの数分間しかないの調整のチャンスを生かして補修部の修正&調整を行いました。

エンジンを冷ます工程が一番時間を食いますね。

夏場でなくてよかった。

この様に実際の作業とは関係の無い時間も多く取られる部分が、二輪四輪問わず、古い車両の整備に時間がかかる一因となってます。

短気な人には向かない代物ですね。

分解洗浄&まだ出る部品の総交換までやらせて頂きたい所ですが、ご予算&ご要望に合わせる形で今回の作業はここで打ち止め。

完全完璧、絶好調とは言えませんが、通常使用には問題の無い範囲まで症状が改善出来ましたので、今回の作業はこれにて終了です。