杉さんのHONDA CB400スーパーフォア ツーリング日記 「ぶどう峠/北信濃ツーリング No.4」

1日目の続き 上野村からへ佐久平(長野県)へ

来た道を戻り途中で右折、そこは新緑が綺麗だが 人の気配もなく寂しいところ、

更に奥地へ進みナビを見ると、道の無いところを走っている。

何んとも不穏な雰囲気に、どうやら地獄へ連れて行かれそうだ。

そこでバイクを停め 地図で現在地を確認、

すると、「ぶどう峠」を越えると 佐久平(長野県)へ抜けられる。

ならば「十石峠」は諦め、そのルートへ変更します。

全舗装ながら 車一台分の細い道、所々荒れたところもあり タイトコーナーが延々と続きます。

これは苦戦、しばらく辛抱です。

その先は尾根伝いに走る平坦路、標高も増し ときおり群馬の山並みが望めるようになりました。

すると 急勾配のヘアピンカーブが連続、ギヤダウンして慎重に登ります。

しばらく走り 頂上付近にやって来ると、道路は補修したらしく 走りやすくなりました。

この先が「ぶどう峠」、標高は1510m 十石峠より160mも高い難所です。

この「ぶどう」とはフルーツの「葡萄」かと思っていたが、そうではなく「武道」らしい。

ぶどう峠の北側に、武道岳(1622m)があります。

すると、左手に御巣鷹山(おすたかやま)が見えて来ました。

34年前のこと、日航ジャンボ機「JAL 123便」が墜落した山です。

尾根の山肌がえぐれているところが墜落現場かも、520名が亡くなったという悲惨な事故でした。

御巣鷹山が見える位置に 小さな祠がありました。

これは墜落事故による慰霊の祠のようです。

大切な人を失った家族の心の傷は、いつまでも癒えることはないでしょう。

ここが「ぶどう峠」、群馬県から長野県へ入ります。

この辺りは標高が高いので冬の景色、その広場には林道が整備された記念碑と祠がありました。

その石碑には「ぶどう峠」と書かれている。

これは群馬県出身の 第67代総理大臣・福田赳夫さんの書によるものらしい。

元は「峯越林道」、ダートの険しい道のりのようでした。

そこで工費1憶2千万円、現在価格で3億円以上かけて整備、現在は「県道・上野小海線」です。

石碑の隣にある祠には、お地蔵さんが祀られています。

そこには「祈 道中安全」の額が 掲げられていました。

険しい山道、旅人は無事越えられるよう 手を合わせていたことでしょう。

また 道祖神ともいわれるお地蔵さん、村の守り神のような存在だとか、

昔話によると・・・

あるとき、おじいさんがうっかり こぼした豆が、お地蔵さんの前へ転がったと、

それを食べてしまったお地蔵さんは、おじいさんに言います。

「今から鬼がやって来るから、鶏の鳴き真似をしなさい」と、

そして鬼たちが財宝を持って集まると、博打大会が始まりました。

そこで おじいさんは言われた通り、鶏の鳴き声を真似します。

すると鬼たちは、夜明けを告げる三番鶏の鳴き声と勘違いして、大慌てで逃げ出した。

そこで、おじいさんは鬼たちが残した宝物を手に入れたということです。

村人は 地蔵信仰を心の 拠り所に生活していたのかも、

時刻は もう午後5時、軽井沢までは無理なので 手前の「佐久平」で一泊することにしました。

「ぶどう峠」からは 相木川に沿って蛇行するワインディングロード、夕日を浴び快走します。

小海町で佐久甲州街道(141号線)に合流、その先は佐久盆地、通称「佐久平」です。

ここは浅間山の火山噴火物などで出来たという肥沃な盆地、

道路脇は広大な田んぼ、その中を直線道路が どこまでも続いています。

そして佐久平の市街地を走っていると、佐久平プラザはありました。

フロントは若い男性SF、「お泊まりですか?」という。

続けてシングルルームがあるというので、これに決定です。

まずは風呂へ、

バイブラバス・流水風呂・露天風呂など7つの風呂とサウナがあり、疲れた体が癒されました。

夕食は冷えたビールで一杯、そして爆睡です(298km)

明日は信濃路・千曲川ラインを走ります。

つづく