黒柴ブラさんのBMW R100RS バイクいじり日記 「R100CS リアタイヤ、ブレーキシュー交換」

次にブレーキシュー交換です。

このBMWは新車時から一度も交換していませんが、シューは全然減ってないように見受けられます。(Motobinsで買った新品と同じか、逆に厚い?)

50000km走って全然減らない訳がないので元はもっと厚かったのでしょう。(だとすると、Motobinsのが薄い?)

厚さだけなら交換する必要は全くないのですが、ブログ等を見ると、「古いシューは硬化してしまって、自分は減らないで相手(ホイール)を削りにいく。そのまま使い続けると最悪リアホイール交換になる」と書かれています。

40年物のシューは交換すべきでしょう。

そこで、作業に入ろうとしましたが、シューの外し方が分かりません。

手持ちの整備本はリアディスクしか解説していませんし、ブログや海外の整備動画を確認しても、うちのBMはちょっと構造が違うようです。

シューの回転支点軸の端部形状が六角頭で(写真)、ブログ等(たぶんモノサス)のスナップリング止めではないのでシューを引き抜けません。

六角頭を回して外れるかやってみましたが、デフケースを破壊しそうで止めました。

こうなったら、お手本なしで続けるしかありません。

私がやった方法は(手がオイルまみれで写真撮ってません)、

まず、シュー回転支点の反対にあるカム軸を抜きました。

最初に車体右側のアーム(ロッドで引いているアームで、ブレーキ遊び調整ナットが付いている)をカム軸から外しますが、喰わえ込み固定用のヘックスボルトは完全に外さないとアームは抜けません。

アームがない状態のカム軸は手前に引けば抜けますが、シューを広げながらする必要があるので、少しずつ時間をかけてやります。

この時、カム軸穴からデフオイルが漏れてきます。

カム軸はデフケースの表裏に開いた穴に通っていて、軸中央部は(必要もないのに)オイルに浸っているので、軸2ヵ所のO-リングでオイル漏れを止めています。

デフオイルの点検ボルト(ここから溢れたら規定量という例のヤツ)はカム軸と同じ高さにあるので、規定量以上オイルを入れていたら、その分漏れ出してくるということですかね。(どう考えればいいのやら)

カムがなくなったシュー右側のバネはもう自然長状態で、シュー穴に対してガタが出ていますが、線材が非常に硬くフックの曲げ先が長いので、簡単には外せません。

私はフックをペンチで挟んで力任せに引いて外しました。

残りは左側のバネだけですが、この状態で(バネ圧がかかっている状態で)バネだけ外せるとは思えないので、最後の手段、両手で上下のシューを掴んで広げて支点軸の向こうに抜きました。

これでようやくシューは外れましたが、ガレージの床はむちゃくちゃです。(写真)

なお、支点軸の六角頭は回せない、軸はケースに完全固定?みたいでした。

(間違っているかもしれません)

新しいシューの組み付けは、外した手順を完全に逆に行いました。

しかし、Motobinsシュー(メーカーNEWFREN)のアルミ部分の出来がいい加減で、幅が広すぎて支点軸に収まらなかったり、カムに当たる部分に突起があったりと、ヤスリを多用しています。

グリスはシリコン系を使っています。

カム軸の2ヵ所のO-リングは新品に交換、さらに、右側の(カム側の)バネは、そのままではどうしても入らなかったので、フックをグライダーで短くして、まだ入らなかったので、プラハンで叩き込みました。

やっとシュー交換終了。(写真左)

ホイールを入れてフェンダーを戻してブレーキ調整して全て終了。(写真右) ツカレタ…

なお、外した純正のシューですが、Motobins(NEWFREN)シューに比べてはるかにしっかり作られています。(ダイキャストしっぱなしではなく、ちゃんと切削加工も入っている)

きれいにして、次回交換のため(あるのかな)、ライナー張り替えに出すことにしました。

シューを交換して500km以上走りました。

効きは当初は悪かったですが、しばらく走って当たりが付いたのかマシになっていたのが、最近極端に悪化しています。

少々効きが悪いのは、リアはコーナリングの時使う程度なので、特に気にならなかったのですが、坂道停車時にブレーキを踏んでも下がってしまうのは異常です。

デフオイルが漏れている可能性大なので、面倒くさいですが、またリアホイールを外して見てみました。

やはり漏れていて、シューが汚れています。(写真左)

交換したカム軸のO-リングに問題があったのでしょうか…

二度とやりたくないと思っていたシューの取り外しをするしかないですが、今回は体力ではなく頭脳を使うことにします。

大型のクランプのヘッドを差し替えると、掴むのではなく、引き離しに使えることに気付いたのです。

クランプでシュー間隔を広げて手前に引くと、バコッと外れます。(写真中)

カム軸は、上に書いているように、アームを外して手前に引けば簡単に抜けますが、今回はデフオイルは漏れて来ません。

O-リングはカム軸にいくつかある溝の一番外外の溝にはまっています。(写真右 外外以外の溝は用途不明ですが、O-リングを入れることは不可能です)

O-リングはシャフト径10断面径2で間違いないはずですが、交換した新品はアマゾンでセットを購入した安物なのと、他に打ち手も思い付かないので、ゴミ箱から元のリングを探しだして付け替えました。(新品に比べると少々硬いですが…)

さらにリング溝と軸の摺動部にラバーグリスを多めに塗って、カム軸を組み付けました。

シューは完全清掃して、組み付けは、上下のシューに2本のバネを入れた状態で、支点軸、カムに上下シューそれぞれを斜めに当てて、上下シューの縁を押し込むことでバコッと入ります。(コツは要りますが、これが正規の組み付け方法なのかな?)

ということは、外す時も上下シューの縁を手前に引けば外れる(のかな?)

ホイールも清掃して組戻して、まだ走っていませんが、言えることは、

シュー交換でカム軸を抜く必要はない(抜いてはいけない) ということですね。

(オイル漏れしてないならそっとしておくに限る ということ)