杉さんの近況日記 「思い出の夫婦旅行/黒部アルペンルート」

まずは電車に揺られ、集合場所の羽田空港へ向かいました。
空港ロビーで添乗員さんの説明を聞き、小松空港行き日航機に搭乗です。

1時間のフライトを終え、小松空港で現地の観光バスへ乗り換えました。
小松ICから北陸自動車で、黒部ICへ向かいます。
車内では、年配のガイドさんが方言も交え富山県の紹介をします。
さすがベテランガイドさん ユーモアたっぷり、プロの話術で客を飽きさせません。

黒部ICからは黒部川沿いに南下して「宇奈月温泉」に到着しました。
宿はホテル桃源さん、眼下に黒部川を望む絶好のロケーションです。

湯は弱アルカリ性単純温泉、無色透明できれいな温泉です。
効能は筋肉痛・関節痛・疲労回復・・・旅行疲れにぴったりだ。
夕食は宴会場でいただきます。
ホタルイカ・白エビなど旬の海産物をふんだんに使った富山の懐石料理です。

二日目は、室堂(むろどう)と黒部ダムを観光します。
コースは富山県側から、立山駅ー室堂ー大観峰ー黒部ダムー長野県側の扇沢へと25kmの高原を巡ります。

まずは黒部アルペンルートの始点「立山駅」へ向かいます。
バスでホテルを出て、黒部ICから北陸自動車道を走り 立山ICに戻ってきました。

そして一般道で北アルプスを目指し 20kmほど走ると「立山駅」に到着です。
ここは人気の観光地、駅前は多くの観光客が集まっています。

立山駅から立山ケーブルカーで7分、「美女平駅」に到着しました。
ここはケーブルカーと高原バスの乗り継ぎ地点になります。
駅前には中国人観光客が大勢いらっしゃいます。
皆さん大きな声でおしゃべりしたり笑ったり賑やかです。おおらかな国民性を感じます。

駅前には「美女杉」と呼ばれる伝説の大木があります。
パンフレットによると・・・
立山は「佐伯有頼」さんによって 開山されたと いわれています。
佐伯さんには、婚約者の美しい娘がいました。

娘は佐伯さんに会いたく、女人禁制の「立山」に登りました。
しかし、佐伯さんは「山を拓くまでは帰れない」と追い返します。
娘は帰る途中、この杉の木に祈ると、のちに願いが成就して二人は結ばれたといいます。

その後、この杉を「美女杉」と呼ばれ、恋が成就するとして信仰されているようです。
この伝説から、この辺りを「美女平」と呼ぶようになったらしい。

「美女平」からは立山高原バスで、室堂(むろどう)へ向かいます。
ここからはマイカー規制がされているので、必然的に乗り合いバスで行くことになります。
道のり23km、標高差1500mの「立山黒部アルペンルート」を約50分で走ります。

「美女平」を出発して しばらく走ると、バスは一時停止します。
ここはビューポイント、称名滝(しょうみょうだき)が見えます。
落差は日本一の350m、国の名勝・天然記念物になっています。
但し、ここからはかなりの距離があるので迫力は感じられない。

そしてバスは終点の「室堂」に到着です。
道路わきは高さ7-8mの雪の壁(雪の大谷)となっている、これは圧巻です。
両手を上げ記念撮影したり、雪の大谷ウォークをしたり 皆さんそれぞれ楽しんでいました。
しかし紫外線が強力、顔が真っ黒になります。日焼け止めは必須です。

室堂駅に降り立つと、そこは標高2450mの「室堂平」です。
目の前は白銀の世界、素晴らしい眺めです。
前方には、剣岳や立山連峰など3000m級の山々が迫り、迫力満点 見事な景色です。

駅から10分ほど歩くと「みくりが池」があります。
北アルプスで一番美しい火山湖と言われています。

この「みくりが池」には伝説があるといいます・・・
越前の修行僧が、この池を見て言いました「この池は越前のため池程度だ」

それを聞いた室堂のお坊さんが「ため池と言うならこの冷たい水に入り泳ぐことくらい平気でしょうな」
すると修行僧は、懐剣(かいけん)をくわえ一周泳ぎ言いました「思いがけず涼が取れ、お礼の言葉もない」と笑います。

室堂のお坊さんは「越前では ため池に剣をくわえて入られるのか」と、からかいます。
修行僧は剣を捨て再び池に飛び込みました。ところが三周したところで神の怒りに触れ湖水に吸い込まれてしまいました。

ここには「御厨ガ池」と書かれていたが、「三繰ガ池」とも書くようになったらしい。

室堂からは立山連峰の地下トンネルを行きます。
ここからはトロリーバスで10分ほど乗ります。
天井に張られた架線からの電気で走るクリーンな乗り物です。

トンネルを抜けると急に視界が開けます。
そこは「大観峰」です。

標高2316mの天空の駅、2階には売店があります。
屋上は展望台になっており、後ろ立山連峰がそびえる絶景が見られます。
眼下には黒部湖も見られ、この大パノラマはアルペンルート屈指の美しさです。

「大観峰」からは立山ロープウェイに乗り換えます。
そして7分、「黒部平」に到着です。

ここには「黒部平庭園」があります。
次の乗り物「黒部ケーブルカー」の待ち時間に散策が楽めます。

背後には、針ノ木岳などの後ろ立山がそびえ 自然の美しさを感じます。
ここは格好の撮影スポット、皆さん記念写真を撮っています。

空気が冷たいので、レストランで温かいコーヒーをいただきます。
おみやげも売っているので、店内は大繁盛です。

では、黒部ケーブルカーに搭乗します。
切り立った山の斜面を下ること5分、「黒部湖」に到着です。

駅を降り立つと、巨大な「黒部ダム」がお出迎えです。
黒部第四発電所です。

多大な困難を乗り越えて完成した世紀の大事業でした。
なんと作業員は延べ1000万人、工期は7年も要すほどの難工事だったらしい。

高さ186mのダムは、スケールと迫力に圧倒されます。見下ろすと足がすくむ恐ろしさです。
毎秒10トンも吹き出すという迫力の観光放水は見られませんでした。

黒部湖は青い水をたたえ、穏やかな風景が楽しめます。
そしてダムの上を歩き、黒部湖の東側へやってきました。

そこには「ふぉっとダム」があります。
大迫力の黒部ダムと撮影体験が出来る無人撮影システムです。
リモコンボックスの撮影ボタンを押すと、ダム上部に設置されたカメラで写真が撮れます。

黒部ダム駅からは、最後の乗り物「トロリーバス」に乗ります。
アルプス連峰の地下「関電トンネル」を走ります。

16分ほどで、長野県側の終点「扇沢」に到着です。
そこからは観光バスで松本駅に向かい、特急あずさで新宿へ向かいました。

今回は初めての黒部観光でした。
美しい雪の北アルプスと迫力の黒部ダムを巡り思い出の夫婦旅行になりました。