新しくなったプロフ画面を充実させてウェビ友を作ろう!

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TT-Rさん

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XR100モタード,ついに115cc化を決意。

走行距離
2950km

いろんないきさつでセカンドロードバイクだったCBR150Rを売って、グロムを購入した。グロムは実用エンジンに4速ミッション、しかも重い。例え25ccの差があっても、ヨシムラカムを組んでセミチューンをしてあるXR100モタードが負けるはずはないと思っていた。事実、高回転を維持して峠を走るような場面では、置いていかれることはない。
しかし、トップギヤの加速は歴然たる差があった。40~50Km/hで流している状態から、トップで加速すると、あっという間に離れてしまう。「排気量は神である」と痛感すると同時に、グロムごときに負けたままではダメだと思い、115cc化を決意する。
排気量こそパワーの源であると信じる私は今まで何度もボアアップをしてきた。モンキーに始まり、TL125、XR125、XR250、CB250RS、セロー225、XR50モタード、TTR125などなど。2サイクルでも数台のバイクでボアアップをしてきた。以前は流用ピストンを使い、旋盤でピストンヘッドの加工もしたし、ボーリング屋さんとは仲良しだった。最近はボアアップキットが出回るようになったので、キットの利用が多い。
エイプ系の100ccエンジンのキットは定番のキタコ、武川をはじめとして数社あるし、台湾製のキットもある。台湾製をはじめアジア系のキットは値段が安いので、心引かれるが、加工が必要であったりして、精度の問題もある。ガスケットが2枚入っていて、どちらかを使って調整をするなどと聞くと「本当に大丈夫か?」と不安になる。
キタコ、武川は何度も使っているので、今回はシフトアップ製を初めて使う。理由は値段が安い割にはちゃんとしていそうだったからだ。15000円前後という値段から察して、海外製だろうが、まあ、何でも使ってみなければ分からない。
ネットで注文して、届いたキットを開けてみると、パッキングはとても丁寧である。小さなプラ容器に入ってしまうように、よく考えられている。一応カラー刷りの取扱説明書も入っているが、ここで失敗。取説だけ抜き出そうとして引っ張ったら、紙が数カ所破れてしまった。小さな破れではあるが、箱から出すときはすべてを一緒に出した方がいい。紙だけ引っ張るのは良くない。

キットの中身だが、115ccピストン、リングセット、ピストンピン、ピストンピンクリップ、シリンダ、ヘッドガスケット、ベースパッキン、インテークパッキン、エキゾーストガスケット、オイル通路を埋めるボルトとすべてが揃っていて、オールインワンになっている。
材質的にちょっと落ちるかなと思ったのが、ピストンピンクリップとエキゾーストガスケット、そしてオイルリングだ。ピストンピンクリップは別のを使うことにした。
オイルリングはきれいにはめるのが難しい。丁寧に扱っているのに、はめるのに苦労したオイルリングは初めてだ。
セカンドリングは上を示すマークがわかったが、トップリングはマークが付いているのか分からないほどだ。トップリングはフラットリングだから、まあ、いいやと思って組み込む。

ピストン比較。
純正は頭頂部がフラットで一段へこんでいる。115ccピストンは頭頂部が台形にせり出しており、圧縮比が高いことが分かる。バルブリセスもしっかり付けてある。
スカート部は最初の画像を見て欲しいが、純正が昔ながらの長さだが、115ピストンはショートスカートで軽量化されており、横から見ると肉抜きの穴まで開いている。
二つを計りかけると、共に100g程度で純正が100gをちょっと切る程度、115が100gをわずかに超える程度だ。重量差数グラム。このピストンはいいと思った。ただ、切削のあとはかなり角が立っているので、耐水ペーパーで面取をしてから、組み込む。

シリンダ比較。
エイプ系(ホンダ縦型)エンジンは50の方はスリーブの厚みは十分だが、100の方はぎりぎりの設計だから、純正でも厚みはあまりない。ノギスで計った簡易計測だが、純正で約2.7mm、115版はその半分の厚みしかない。
これより厚くするにはクランクケースを割って削るしかないので。これはしかたがないところか。おそらくクランクケースの制限から、各社似たようなものだと思う。
オーバーヒートとかさせてしまうと、シリンダにゆがみが出てしまいそうだな。
115キットの弱点の一つがこのスリーブの薄さだろう。

クラッチも強化しよう!
115ccにボアアップすると同時にクラッチの強化もやることにした。
ヨシムラカムのトルクが盛り上がる回転域でクラッチが滑る傾向が出はじめていたからである。
強化クラッチも各社から出ているが、価格の安いクリッピングポイントを使うことにした。
このパーツは純正のクラッチ部品を買いそろえるよりも安く上がる。
他に必要なのはクラッチケースパッキンだ。クラッチケースを取り外す際に、必ずと言っていいほど、パッキンは破れるからだ。
あと、サークリッププライヤーも必要だから用意する。
さて、組み付け作業だが、クラッチ側のケースを外すので、当然エンジンオイルは流れ出てしまう。だから、エンジンオイルを抜いてから作業するか、エンジンを寝かせるか、どちらかの方法を取るしかない。化学合成オイルを入れたばかりだったので、ここはエンジンハンガーごと寝かせて、作業をすることにする。
強化クラッチキットに入っている取扱説明書にしたがって作業すれば、さほど難しい作業ではない。戸惑うのは、クラッチカバーのボルトを全部抜いたのに、ケースが外れない事だろう。外れないときはプラスチックハンマーでショックを与えて外す。このあたりの力加減は、経験で得るしかない。
無事にクラッチを組み上げて、最後にクラッチカバーを取り付けるのだが、このときに裏技がある。今後、オイルポンプをいじりたいなど、またクラッチケースを外す可能性のがある場合だが、ケースパッキンを組み込んで、締め詰め付ける前に、パッキンがきれいに外れて欲しい面の方にオイルを塗ってから、組み付ける。そうすると半年後、1年後であっても、パッキンはきれいに剥がれてくれて、再利用が可能となる。
接合面をきれいに仕上げておくと、オイル漏れは起きないものだ。前回の整備の時に、オイルを塗っておいたので、今回の作業ではパッキンはきれいに剥がれた。また、作業終了後もオイル滲みなどはない。
そうそう、取付後の使用感だが、クラッチの切れも、つながりも、半クラッチのやりやすさも良好である。もちろん、滑りもなくなったし、ミッションタッチも改善されて、ニュートラルも出しやすくなった。
ニュートラルが出にくくてお悩みの方は、クラッチを疑ってみられるのも良いと思う。
4000円足らずの部品代にしては、満足度の高いパーツだった。

カムチェーンも強化しよう。
ついでにカムチェーンも強化版に替えることにした。
デイトナ強化カムチェーンが3000円を切るような値段だったし、100系のエンジンはクランクを割らずにカムチェーンが交換できるという話だったので、思わず注文してしまったが・・・
これはクラッチと違って、ちょいと作業に手間取った。
最初の難関は私がフライホイールプーラーを持っていない事だった。
コイツ無しではフライホイールを抜くことはできないので、使用頻度の低い工具であるフライホイールプーラーを買うことにした。
ついでにフライホイールの回り止めであるユニバーサルホルダーも買った。この2点でカムチェーンよりもはるかに高い買い物となった。
二度目の難関はフライホイール取付ボルトが緩まないことだった。これはエンジンを車載している状態で、ギアを1速に入れて、助手にリアブレーキを踏ませて、ホイルレンチのような大型工具で回せば簡単に外れるものだが・・・最初はカムチェーンを替えるつもりはなかったので、エンジン車載時には緩めておかなかった。
エンジン単体だと、大型工具でトルクを掛けようとしても、エンジンごと回ってしまうし、ユニバーサルホルダーなどではとても支えきれない。仕方が無いのでエンジンハンガーごと車に積んでなじみの整備工場に持ち込んで、インパクトで緩めてもらう。たったの1秒でけりが付く。

ボルトを外して、フライホイールプーラーを使って、フライホイールを抜こうとするが、本来力を入れるとポンと抜けるはずが、全く抜ける様子を見せない。プーラーにトルクを掛けられるようにジョイントをつないでトルクを掛けるとプーラーが曲がってしまいそうになる。
力業の作戦は変更。
もう一度フライホイール結合部に浸透潤滑剤をスプレーして一晩おき、プーラーのねじ部には上等のグリスを塗って、回転運動が垂直運動に変化しやすいようにして、トライ。今度は、外れた。何事も力業に頼るのは良くない。
フライホイールを外し、ステーターベースを外すと、カムチェーンの交換は思ったより簡だ。穴の中に針金のようなものを入れて、チェーンを引っかけて取り出せば良い。
新たなチェーンを入れるのも、難しい作業ではない。

XR100モタード キャブセッティングで悩む

さて、エンジンは組み上がった。あとはどうセッティングするかだ。
同じ115CCキットを組み込んでも、同じパワーが出るわけではない。
カムシャフトはどれを使うか、キャブは何を使うか、エアクリーナーを含めた吸気系をどうするか、マフラーをどうするかによって、パワーの出方は違うし、悩みの種はキャブのセッティングだ。
エイプ系エンジンのようにメーカー純正デチューンエンジン(わざと低出力化)の場合、その同型エンジンでメーカーが出している他モデルが参考になる。
エイプ100系なら、レーサーXR100Rである。
エイプ、XRモタと同形式エンジンで、同じ圧縮比、おなじエアクリーナーケース吸気系を持ち、トルク、出力がそれぞれ1000回転上で、9.5馬力前後(年式によって違う)を出す。
エイプ系と違うのはキャブ、カムシャフト、マフラーである。(エンジン型式が違うので、吸排気バルブの大きさが違う可能性がある)
キャブはPD22、カムシャフトはホンダ純正パーツとして手に入る。
これらを移植するのが最も確実だが、100エンジンに換装した際、キャブはデイトナのPC20を買ってしまったし、カムシャフトはヨシムラのST1を入れてしまっている。だから、オリジナルセッティングを見つけるしかない。
デイトナPC20は純正エアクリーナーケースを使う場合、吸気口をレーサーXR100Rのものに変更してもスロー系のセッティングが出ない。これはデイトナのマニュアルにも書いてある。デイトナの推奨は吸入効率の高いキノコ型エアクリーナーである。
コイツの吸入効率の良さは理解しているが、エアクリーナーケースを使わないので、吸気音がでかい。雨が降ったら、エアクリーナーが濡れて、使い物にならなくなる。
だから、純正エアクリーナーケースにはこだわってきた。

ちょっと脱線しすぎたが、組み上げたシフトアップ115エンジンを純正改造50マフラーとPC20、純正エアクリーナーケースで回してみる。
マフラーはもっとレーシーなものに変更しても良いが、「羊の皮を被った狼」が好きな私は外見は極力ノーマルに近い形が好きである。そこで、純正の50マフラーの排気効率を上げて使っている。
115CCキットは純正マフラーが使えないとどのキットの説明にも書いてあるが、シフトアップ製はオイルルートをふさぐボルトが短いので、純正マフラーが着いてしまう。

画像はシフトアップ製115CCキットと純正の50マフラーの取付状態である。

前置きがすっかり長くなったが、エンジンに火を入れてみる。
高圧縮になって、重くなったキックペダルを踏むが、エンジンはうんともすんとも言わない。プラグを外して見たら、濡れている。燃調が濃すぎる。力業でキックをして、無理矢理始動させて、とにかく走ってみる。
走り出しですぐに15ccの違いは分かる。きっちり15%のトルクアップは感じられる。
ただし、高回転は全く回らない。
すぐに戻ってプラグを外すと、真っ黒けもいいところ。
思い切ってメインジェットを15番下げる。
中低速はいいが、高回転が回らず、プラグは焼け気味。メインジェットを少しずつ上げ、ジェットニードルの段数も変えてみる。
何度かのトライのあと、上から下まできれいに回るセッティングが出た。
こう書くと簡単そうだが、実際はレーシングキャブでないただのPC20のセッティングは面倒くさい。いちいちキャブを取り外さないとメインジェットは交換できないし、その度にフロート内のガソリンがこぼれる。
PC20のフロートドレンは緩めても、ネジの回りからガソリンが出る構造で、ホースからは出ないから、結局、周囲はガソリンだらけになってしまい、その後始末も大変。
また、セッティングの出しやすいといわれるPC20だが、私のエンジンではメインジェットの5番違いやジェットニードルの段数に敏感に反応し、セッティングは結構難しい。
慣らしの終わっていないエンジンで高回転まで回したくなかったが、キャブのセッティングのため、高回転まで回してみる。テストコース上だが、メーター読みで3桁に届いたので、まあ良しとしよう。
キャブのセッティングデーターはそのバイクごとに違うので、あまり参考にならないから、あえて公開はしない。
お知りになりたい方はご連絡下されば、条件を示して、お教えします。

グロムに乗ったことのある人なら分かるだろうけど、10馬力もないくせに妙に速いのだ。9.8馬力だから絶対的な速さはない。トップギアでの中間加速がいいのだ。
トップギアで50km/hで巡航しているとする。そこから、スロットルをひねるとスルスルと速度が上がってあっという間に80km/hに達する。
これはかってのCB125Tでは真似のできない加速である。CB125Tは16馬力もあったが、装備重量は136kg(グロムは104kg) 最高出力は10,500回転で発生。高回転高出力型のエンジンだったので、トップギアで50km/hから加速しても、ボーと言うばかりで加速はのんびりしたものだった。16馬力らしく加速させる為には2速落として、高回転を維持しなければならなかった。
ところが、グロムの9.8馬力は7000回転で発生するのだ。さらに最大トルクの発生回転は5250回転(CB125Tは9000回転)。ホンダがエンジンの性能曲線を出していないから分からないが、おそらくトルクの曲線はなだらかな山を描く、フラットトルクなのであろう。
トップギアでの加速が速いグロムの秘密はここにある。かつてのCB125Tが速く走らせる為にはテクが必要だったのに、グロムはアクセルをひねるだけで十分に速い。
さて、XR100モタードだが、ノーマルでは6.5馬力/8,000回転で、とてもグロムには太刀打ちできない。しかし、ミニモトクロッサーのXR100Rは9.8馬力 / 9000rpmだから、それに準じて、ヨシムラカムシャフトにPC20キャブを装備したXR100モタード改は、車重も軽いし、5速だし、おいそれとは負けまいと思ったが・・・・・・
実際に2台で走ってみると、XR100モタード改ではグロムに全然着いていけない。正しい表現をすると、同じような運転(トップギアでアクセルをひねるだけ)では、すぐに離されてしまう(もちろんシフトダウンをすれば着いていける)のだ。高回転型カムシャフトでは中速トルクは増えず、高回転側に移行するだけなので、CB125Tが遅かったように、モタ改もやはり遅いのである。
誤解の無いように正確な表現をすると、トップギアでスロットルをひねるだけの走りでは中速トルクのあるグロムが速い。しかし、エイプ及びXR100モタードは100ccのままでも、XR100R並にエンジンチューンをすれば、80kg台の軽い車重に5速ミッションを駆使して、手練れが走らせれば、グロムごときに後れを取ることはまずない。
ただ、ツーリングのようにトップギアで走る場面が多い時にグロムに離されてしまうのである。
そこで、下からのトルクを上げるべく115ccキットを組み込んだわけだが、その結果はどうなったのか?

その前に我がXR100モタード改115の詳細を示そう。

XR100モタード改115のエンジン改造点
吸気側から見てみよう。
エアクリーナーダクト=レーサーXR100Rのホンダ純正
純正エアクリーナーケース&純正エアクリーナー
デイトナコネクティングチューブ
デイトナPC20キャブ
純正インテークマニホールド
エンジン シフトアップ製115ccボアアップキット
吸排気バルブすりあわせ
ヨシムラST1カムシャフト
デイトナ強化カムシャフトチェーン
シフトアップ製強化クラッチキット
50モタード用純正改造マフラー
減速比 フロントスプロケ15 リアドリブンスプロケ32
ドライブチェーン 江沼420SR強化チェーン
タイヤ 純正サイズ120/80-12
とまあ、こんな感じである。

「キャブセッティングが一応出たXR100モタード改115の実力は?」
キャブのセッティングの試走の段階で、15ccの排気量アップは確実に感じた。
クラッチをつないでスタートする。スタートの力強さからも排気量15%アップは確実に感じられる。

「グロムとツーリングに出かける」
8%程度の勾配がある山道を含む100km程度の小ツーリングにグロムとXR100モタード改115の2台で出かける。
平道、山道ともにトップギアホールドで走る場面が多いが、グロムに離されるようなことは全くない。バイクでも車でも先にスロットルを開いた方が速いのだが、グロムが加速をしてもすぐ後に付いていける。100の時はスッと離されるので、シフトダウンして追うという形だったが、今は同等の中間加速である。
15ccのアップと高圧縮比によって、全域でトルクのあるエンジンとなっている。115ccになってもまだグロムと10ccの差はあるが、XRの方が軽いのと、減速比が低いので、その差を埋める形になっている。

「グロムの弱点」
中間加速はいいが、伸びない最高速。
グロムの慣らし運転が完全に終わり、走行距離も2000kmを越えたので、テストコースで最高速トライアルをしてみた。
直線がそんなに長くないので、本当の最高速とは言えないが、一応の目安となる。
トルク型エンジンなので、トップギアでの加速はいいが、エンジンの伸びはない。7000回転、メーター読みで100km/hちょっとまでは出るが、そこから先がもどかしい。
最高速の伸びはハイカムを組んで、高回転CDIを積んでいるXR100モタード改115の方が明らかに上だ。
中速型カムシャフトで、中速型にセットされた細めのエキゾーストなどから、グロムのノーマルエンジンは本当に上が回らない。また、エイプ、XR100モタードと比べると明らかに大きな全面投影面積や重い車重も足を引っぱっていると思う。

ワインディングに弱いグロム
4速と伸びない高回転が山道では足かせ
高回転までまわるXR100モタード改115は5速ミッションを駆使して山道を走るのが楽しいが、グロムは楽しくない。グロムはあまり変速せずに豊かなトルクを利用して走るのがいい。

さて、115化してパワーアップが完了したXR100モタード改115からグロムに乗り換えると、今まで感じていたトルクに乗った速さを感じない。
これは参ったなあ。ノーマルグロムでは不満を感じるようになったよ。早速グロムのボアアップキットを物色し始めた昨今である。

「悩ましいCDI」
XR100モタードの点火装置はフライホイールマグネト式のCDIである。実はこのCDIの進角特性が悩みの種となる。
私のXR100モタードは高回転域(具体的には1万回転前後)のパワーを狙って、XR50モタードの純正CDIを使っていた。50純正CDIは50に使う場合は27度の固定進角だが、100に使う場合、33度の固定進角となる。そして33度固定進角というは社外品で多く出ている100用のハイパワーCDIと同じなのだ。50と100の純正CDIは大きさも違うし、当然取り付け用ラバーも違うが、カプラは共通なので、取り付けラバーと一緒に交換すれば、ワンタッチで交換できる利点がある。
ところが33度の固定進角というはアイドリングでは点火が早すぎて、低い回転では止まってしまう。50ccでは進角27度だから、さほどの問題も出ず回せていたが、さすがに100ではアイドリングがやや苦しくなり、115にボアアップすると圧縮比も上がった為か、アイドリングはさらに苦しくなる。ノッキングぎりぎりの点火時期だから、どんなにキャブのスロー調整をしても、しばらく回しているとストンと止まってしまうし、始動性もいいとは言えない。
レース専用マシンなら、アイドリングは無視してもいいが、街中でも使うナンバー付としては、信号待ちで止まってしまうのは困るし、再始動でなかなかかからないのも後続車に迷惑をかけてしまう。
しかし、高回転時も33度なのはパワーの落ち込みが少なくていい。
純正100のCDIは1800回転までは15度。それから3500回転までは33度まで回転に応じて進角していき、9000回転まで33度を維持する。ところが、9000回転を越えると遅角を始め、29度となってしまう。
つまり、9000回転まで50純正CDIと同じパワーだが、9000回転以上は明確なパワーダウンとなるはずだ。
CDIの進角特性のデータはhttp://blogs.yahoo.co.jp/natuget/15690742.html「さんぺい」さんのサイトを参考にさせてもらっている。

なぜ高回転(1万回転)のパワーにこだわるのかというと、グロムを負かすには1万回転が必要だからだ。たとえ、15ccボアアップしてもグロムとはまだ10ccの差があり、トルクでは負けている。そのトルクの差を埋めるのが低いギヤ比であり、低いギヤでも最高速で勝る為には1万回転まで力強く回ることが必要だからだ。
トップギアの中間加速ではグロムに着いていけるようになった。加速で抜くほどの力は115キットにはない。グロムに勝つにはグロムが苦手な最高速で勝つしかないのだ。
グロムノーマルの最高速は90km/hぐらいだと思う。ネット上にはメーター読みで95km出たとか、サーキットで107km出たとか書いてあるが、あれはメーター読みだから、速度計エラーを考慮しなければならない。甘い純正速度計よりは当てになるGPS測位では高速側は10kmほど多めに表示する。
減速比と回転数からグロムの最高速を推論してみよう。
参考はこのサイトである→http://nokubi.jp/apps/speedrpm/
ノーマルグロムは最高出を7000回転で発生。
トップギアで7000回った時の速度が91.7km/h
中速型に振ったエンジンだから、上はあまり回らないだろう。どんなに条件が良くてもトップギアで7500回転が精一杯ではないか。
7500回転では98.2kmとなる。このあたりが下りや追い風を利用した良い条件での最高速ではないだろうか。

さて我がXR100モタード115改だが、搭載しているヨシムラST1では50改80で1万回転回してきたので、1万近くは回せる自信がある。
減速比はフロント15リア32だ。この状態で5速9000回転なら96.5km 9500回転なら101.8km 一万回転なら107.2km/h

つまり、100純正CDIで9000しか回さないと96.5km/h ノーマルグロムとどんぐりの背比べか、わずかにまさる程度。
実測100kmオーバーでグロムを突き放すには軽々と9000以上回って欲しい訳だが、純正100CDIではそれが難しくなるというわけだ。

実際はどうなるのか?
50純正CDI
33度の固定進角の高回転パワーは確実に9000回転以上で効果がある。我がXR100モタード改115は140kmフルスケールの社外品スピードメーターだが、表示が極めて辛い。積算計はマイナス4%(普通はプラス3~4%ぐらいだ)。速度計はGPS測位速度計と比較してほぼ+-0、つまり実際の速度を示しているが、50純正CDI搭載時は前傾姿勢を取らずとも100km/hに達する。
しかし、始動時とアイドリングは駄目だ。まず始動性が悪い。点火時期が早すぎて下手をするとケッチンを食らう。エンジンがかかっても回転が低いとアイドリングが維持できないから、アイドリング回転を高めに設定しないとエンストしてしまう。

100純正CDI
始動性良好。キックアームで圧縮上死点を探してから、キックすれば確実に一発でかかる。アイドリング良好。低い回転でもアイドリングは安定している。
ただし、9000回転以上は点火時期が遅角する事によって、エンジンの伸びはない。具体的には100km/h出す為には前傾姿勢が必要だ。
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