「悩ましいCDI」
XR100モタードの点火装置はフライホイールマグネト式のCDIである。実はこのCDIの進角特性が悩みの種となる。
私のXR100モタードは高回転域(具体的には1万回転前後)のパワーを狙って、XR50モタードの純正CDIを使っていた。50純正CDIは50に使う場合は27度の固定進角だが、100に使う場合、33度の固定進角となる。そして33度固定進角というは社外品で多く出ている100用のハイパワーCDIと同じなのだ。50と100の純正CDIは大きさも違うし、当然取り付け用ラバーも違うが、カプラは共通なので、取り付けラバーと一緒に交換すれば、ワンタッチで交換できる利点がある。
ところが33度の固定進角というはアイドリングでは点火が早すぎて、低い回転では止まってしまう。50ccでは進角27度だから、さほどの問題も出ず回せていたが、さすがに100ではアイドリングがやや苦しくなり、115にボアアップすると圧縮比も上がった為か、アイドリングはさらに苦しくなる。ノッキングぎりぎりの点火時期だから、どんなにキャブのスロー調整をしても、しばらく回しているとストンと止まってしまうし、始動性もいいとは言えない。
レース専用マシンなら、アイドリングは無視してもいいが、街中でも使うナンバー付としては、信号待ちで止まってしまうのは困るし、再始動でなかなかかからないのも後続車に迷惑をかけてしまう。
しかし、高回転時も33度なのはパワーの落ち込みが少なくていい。
純正100のCDIは1800回転までは15度。それから3500回転までは33度まで回転に応じて進角していき、9000回転まで33度を維持する。ところが、9000回転を越えると遅角を始め、29度となってしまう。
つまり、9000回転まで50純正CDIと同じパワーだが、9000回転以上は明確なパワーダウンとなるはずだ。
CDIの進角特性のデータは
http://blogs.yahoo.co.jp/natuget/15690742.html「さんぺい」さんのサイトを参考にさせてもらっている。
なぜ高回転(1万回転)のパワーにこだわるのかというと、グロムを負かすには1万回転が必要だからだ。たとえ、15ccボアアップしてもグロムとはまだ10ccの差があり、トルクでは負けている。そのトルクの差を埋めるのが低いギヤ比であり、低いギヤでも最高速で勝る為には1万回転まで力強く回ることが必要だからだ。
トップギアの中間加速ではグロムに着いていけるようになった。加速で抜くほどの力は115キットにはない。グロムに勝つにはグロムが苦手な最高速で勝つしかないのだ。
グロムノーマルの最高速は90km/hぐらいだと思う。ネット上にはメーター読みで95km出たとか、サーキットで107km出たとか書いてあるが、あれはメーター読みだから、速度計エラーを考慮しなければならない。甘い純正速度計よりは当てになるGPS測位では高速側は10kmほど多めに表示する。
減速比と回転数からグロムの最高速を推論してみよう。
参考はこのサイトである→
http://nokubi.jp/apps/speedrpm/ ノーマルグロムは最高出を7000回転で発生。
トップギアで7000回った時の速度が91.7km/h
中速型に振ったエンジンだから、上はあまり回らないだろう。どんなに条件が良くてもトップギアで7500回転が精一杯ではないか。
7500回転では98.2kmとなる。このあたりが下りや追い風を利用した良い条件での最高速ではないだろうか。
さて我がXR100モタード115改だが、搭載しているヨシムラST1では50改80で1万回転回してきたので、1万近くは回せる自信がある。
減速比はフロント15リア32だ。この状態で5速9000回転なら96.5km 9500回転なら101.8km 一万回転なら107.2km/h
つまり、100純正CDIで9000しか回さないと96.5km/h ノーマルグロムとどんぐりの背比べか、わずかにまさる程度。
実測100kmオーバーでグロムを突き放すには軽々と9000以上回って欲しい訳だが、純正100CDIではそれが難しくなるというわけだ。
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