程なく僕は大型教習へステップアップした。教習車はCB750。それにしても、いい時代になったもんだ。僕がバイクに夢中だったあの頃、「限定解除」といえば憧れの対象だった。なにせ一発試験で100人に3人しか受からないと言われた免許だったし、ナナハンは乗るのも買うのも若僧にはほとんど無理に思えていた。
軽量な2ストで、峠の下りにビックバイクをムキになって追いかけた。そんな乗り方はもう出来ないけど、2輪を降りて眺めるだけで自分を納得させるようなオトナでもない。「限定解除」を夢見るだけで挑戦もしなかった若僧だった自分への、今更ながらの抵抗でもあるような気がする。そんな少し複雑な気分でCB750にまたがった。でも教習車のCBは拍子抜けするほど乗りやすいバイクだった。トルクが太い分、むしろ400より乗りやすいかも?とも思えた。
幼い淡い恋から青春の激しい恋までいろいろな恋愛をしたけど、本当に憧れてた女性には声をかけられずにいた。自分に自信がなかったから。自分に自分でブレーキをかけてるくせに、言い訳ばかりして、根拠のない自信を振りかざし、認められないコンプレックスを他人のせいにしてきた。それでも経験と年月が自分をオトナにしてくれた。今だったら言えるかな。ホントは好きだったんだって。ナナハンに跨ってそんな事を思ったんだ。
Keep On Riding !!!
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