バイクのない生活は退屈だったが、免許がないんじゃしょうがない。そんな生活にも慣れ、やがてバイクの事などすっかり忘れてしまった。そうして10年が過ぎ、僕は二人の子持ちとなる。思えば遠くへ来たもんだ…。
糸島へドライブに行っていたある日、ツーリングしているハーレーとすれ違った。「あ、ダイナかあ。いいなあ…」そんな僕の呟きに、助手席の女が聞き返した。
「バイク好きなの?」
昔ね、結構ハマってたんだけどね…。
「さっきのバイクなんて言うの?」
多分、ハーレーダビッドソンのFXDL。
ダイナって呼ばれてるタイプ、だいな。
「なにそれ(笑)シャレのつもり?」
アーレー、スミマッソン。
「・・・」(しつこいオヤヂギャグに引かれる)
彼女がハーレーを見たいという。近くにハーレーのディーラーがあるのを思い出し立ち寄る事にした。「キレー!かっこいい!」とはしゃぐ彼女を横に、僕は久し振りに触れる単車に魅入っていた。やべ…。これ、やばいよ…。
ほんのささいなキッカケで、僕はまた熱病に浮かされてしまった。本屋に立ち寄ってバイク雑誌コーナーを覗いてみる。「オートバイ」や「アウトライダー」など当時買っていた雑誌はもう廃刊したのだろうか、見当たらない。しかし以前と違って、熟年ライダー?向きのバイク雑誌がたくさん並んでいる。そのうちの一冊を手にしてめくってみて知った。そうか、今は教習所で大型まで取れるんだ…。
そして僕は、家族と会社にだまって教習所の門を叩いたのだ。
Keep On Riding !!!
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