ＲｅｆさんのHONDA CT125 ハンターカブ ツーリング日記 「新東名（松田~山北）の難工事箇所を探索（その2）」

古宿トンネル(上り602m、下り583m)西坑口、
湯触トンネル(上り2145m、下り2161m)東坑口

両トンネルとも貫通済です。現在、両トンネルを繋ぐ道路の路盤工事が開始されています。
赤い矢印の箇所から反対側のトンネルを撮影しています。他の場所もそうですが、新東名はトンネル等の構造物と切土・盛土で直線の最短の道になっていますが、撮影するには既存の道を登って下りての繰り返しで、大回りもいいところです。

河内川橋(上り771m、下り692＋22m、アーチ部分220メートル)、
河内川を跨ぐ位置へ橋脚を設置し、かつ早期に完成させるため、橋脚からバランスを取りながら橋桁を左右に延ばすと同時に、それを支えるアーチ部分も張り出していき、最終的に大きな橋を完成させるバランスドアーチ橋の形式であり、日本最大ということです。

インクライン、湯触トンネル西坑口

この河内川橋は道路面が水面から120m、およそ30階建てのビルぐらいの高さとなることから、東京側の橋脚においては材料や車両を運搬するためのインクライン(昇降装置)を設置したとのこと。一度に大型コンクリートミキサー4台、およそ90tを運搬できる巨大な装置ということです。一方、御殿場側の橋脚の施工には専用のトンネルを掘削し、橋脚の根元に大型のステージと工事用リフトを用意して建設を行っています。
橋体の完成後はプレキャスト製の床版および壁高欄を施工して完成となる予定です。

山北スマートICおよび谷ヶ山トンネル(上り2793m、下り2789m)東坑口
河内川橋近くの塩沢工区では山と山の間を盛土し(320万m3:東京ドーム2.6杯分)、山北スマートIC用の道路を建設しています。工区東端の向原地区から出る切土を西端の塩沢地区に運ぶため、交通量の多い国道246号へ影響を与えずに、東名高速の東名山北バス停(上り線)に、ダンプへの土砂積み込み用のベルトコンベヤ(700m)&ホッパーを設置し、大井松田ICで折り返して鮎沢PA(下り線)を改築した専用出口を使用し、東名高速による大容量土砂搬送業務(最大600台/日)を実施したとのことです。
また、ドローンや三次元レーザースキャナーなどによる測量、人工衛星データと連動した重機コントロールによる盛土、マシンガイダンス等による正確性向上、など、設計から施工までICTをFULL活用しているということです。、
なお、谷ヶ山トンネルの東京側出入口は映画「新ウルトラマン」でゴメスの出現する舞台になったということです。

川西地区には足柄茶を製品化する神奈川県農協茶業センターが在ります。かながわ名産百選に選定されている足柄茶は日本の原風景が残る丹沢・箱根山麓一帯の山間部を中心に栽培されているお茶です。
年末から2月頃まで、「丹沢おろし」という山裾を這うように吹き下ろす身も縮む冷えた空気を運ぶ風が昼夜の大きな温度差を呼び、その気候・風土が極上の芳醇な茶葉を育み、品質基準となる全窒素量が多く、旨味成分のアミノ酸を豊富に含み、渋み成分のタンニン、繊維質が少ないことで「味と香り」が際立ったお茶です。
(県茶業振興協議会の事務局が前職場にありましたので一応ご紹介しときます)

中島高架橋(上り505m、下り481m)、
柳島高架橋(上り630m、下り663m)、
湯船高架橋(上り629m、下り634m)
小山から静岡県側は沼津事業所の管轄ということですが、本線部分はほぼ完成間近といってよく、2024年5月からは、完成形に作り込んだ上り線の一部区間を使い、道路側の情報で自動運転車の走行を支援する「路車協調実験」を始めているとのことです。

今回、事業PR館で説明を受け、建設資材の運搬やコンクリートミキサー車の移動のために、山に仮設道路を作ったり、インクラインや高所作業用の仮設構台の設置、工事の邪魔になる東電高圧電線鉄塔は移動させ、東名設備を改修しての大量土砂運搬など、あらためて事業スケールの大きさに驚きました。 工事準備に5年も要したという話ですが、新たな日本の大動脈のための難工事ということで納得です(費用も莫大だと思いますが)。
なお、2027年度開業は高松トンネルの掘削状況次第のようで、他の構造物は劣化防止の観点から開通に合わせて進捗させているということです。