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Refさん
新東名の秦野・御殿場間の開通が2027年度へ延期されましたが、急峻かつ狭隘な丹沢山地と断層破砕帯を伴う難工事と言われる区間は県西地域の松田町・山北町に位置し、地元といっても良い場所なので、お散歩バイクで1/12に巡回してまいりました。ただ、写真を取ったは良いが、コメントが全く書けませんでした。そこで、NEXCO中日本秦野工事事務所が開催している新東名の事業PR館に行ってきましたので(1/22山北事業PR館、2/6松田事業PR館)、東京側からご紹介したいと思います。
なお、橋などの構造物名称は仮称ということです。
まず、松田事業PR館は工事中の中津川橋近くの渓谷沿いに鉄骨で作られた仮設構台(元資材置場)の上にあります。 寄(ヤドロキ)という地域はバブル期に開発された国道近くのベットタウンでさえ、当時の地価が小田原の半額という自然豊かな場所になります。
中津川橋(上り277.5m、下り317.5m)は萱沼トンネル(手前側)と高松トンネル(奥側、上り2847m、下り2864m)に挟まれた急峻な渓谷に位置する主塔と斜材により主桁を支える外ケーブル構造による橋梁形式の桁橋です。この渓谷には鉛直方向に最大3mの相対変位の生じる断層が確認されており、落橋や修復不能な損傷を避けるためにこのエクストラドーズ橋の方法を採用したとのことです。また、断層破砕帯が主塔の設置予定位置に広範囲に存在したため、基本設計を大きく変更し、位置を東京側へ移動させると共に主塔を名古屋側橋脚の位置に変更しました。そのため高松トンネル下り線の内径を拡大した(80㎡→250㎡)セットバック部分を設け、外ケーブルで支える橋部分をトンネル内部まで延長させたとのことです。また、主塔と橋脚の間隔が拡大したため、コンクリート箱桁を大型バタフライウェブ形式にすることで軽量化を図っています。 なお、2面吊りのエクストラドーズ橋とバラフライウェブの組み合わせは世界初ということです。(ちなみにエクストラドーズ橋は西湘バイパス石橋支線の小田原ブルーウェイブリッジが世界初)。
県西部の断層図です(政府 地震調査研究推進本部資料より)
本州と伊豆半島が約 100 万年前にくっつき、盛り上がった場所が丹沢山地で、この場所は伊豆半島と丹沢の地質の境目にあたります。高松トンネルは神縄断層破砕帯の土砂化、粘土化した地層を掘り進める必要があり、多いときには500t/hもの突発的な湧水が発生したほか、2022年9月には崩落も発生。2023年5月まで掘削を一時中断し、施工方法を再検討した結果、開業が2027年度へ延期されました。(まるで「黒部の太陽」の話のよう)
現在は数多くの脆弱な地質への対策を行いながら施工しているとのことです。湧水量が200t/hと落ち着いたことで、1日に4~5m程度の速度で順調に堀り進められており、進捗は上り線が約1.5km、下り線1.4kmで、おおよそ50%ということです。また、2024年からは着実な進捗を図るため山北側西坑口からの迎え掘りも開始されたとのことです。
コメント(全4件)
利便性より、地域住民が大切です。
いや、政治かな、・・・・。??
道路工事、自然豊かな環境ですね。昨今は環境配慮だの作業安全管理徹底だので道路工事にかなりの時間と費用を要します。
こちら新潟でもしばらく前のお話ですが、十日町市にある八箇峠トンネルの工事の際、天然ガスがたまっていたトンネル内で作業機の静電気が引火し、大爆発を起こし死傷者を出してしまった事故が有名です。
ご存じのように油田ガス田の多い新潟の地層はとても危険。とある油田付近では田んぼの畔に常に天然ガスがブクブクと湧き出しており、たばこのポイ捨てでもしようものなら大変なことになってしまいます。