decopeiさんのKAWASAKI バリオス ツーリング日記 「秘境駅」

路肩にバリオスを停め、林道どころか作業道のような細い急斜面の未舗装路を歩いて下り始めると、下のほうから列車が入ってくるような音が聞こえてきました。惜しい!あと5分早く来ていれば1日数本の停車風景が見られたのに!この駅は周囲に民家どころか普通の道さえも無い秘境駅であると同時に、国内では数少ないスイッチバック方式で出入りする駅でもあるのです。そのタイミングを狙って来た訳ではありませんが、目の当たりにできるチャンスをタッチの差で逃してしまうとは間がいいのやら悪いのやら。県道にある標識では駅まで600m先となっていますが、その600mが非常に険しいため恐らく発車時間までには間に合いそうにありません。

それでも速足で急坂を駆け下りてやっと駅舎が見えたと同時くらいに、一旦停車場から下がって折り返し線に入っていた列車が本線に戻ってきました。慌ててスマホで撮ったのが1枚目の写真で、駅を通過して香川県側のトンネルに入っていくところです。

駅舎へ行くには警報の無い手動の遮断機(?)を上げて線路を渡る必要があります。オフロードバイクで降りてきて走る人が多かったのか、注意を促す看板の絵がオフロードバイクになっていました。バイクで降りて来てはいけないとは書かれていませんし、かなり険しくて危険ながら頑張れば私でもなんとか行き来できるかな?という道ではありますが、良識あるオフローダーなら自重して頂きたいものです。

列車が行ってしまった後は近くを流れる川の音と虫や鳥の声が聞こえるのみで、人の気配が全くありません。1人ホームに佇んでいると、まるで映画の一場面か昭和の時代にタイムスリップしてしまったかのような不思議な感覚になります。お越しになるのであれば大人数でワイワイ連れ立って来るよりも、1人か恋人同士の2人きりで静かにこの雰囲気を味わってほしいなあ、と思いました。

ただ、帰りは大変です。石がゴロゴロ転がった急坂を登るのは一苦労どころか私は三苦労ぐらいしました(笑)。防寒ウエアーが災いして汗だくになり、2回ほど休憩を入れてやっとの思いで県道まで辿り着くことができました。

バリオスにさえ乗ってしまえばこっちのもの。走れば汗もあっという間に乾きます。それでも猪の鼻峠を下って、多くのバイカーやお宝バイク達の品評会状態で「ごった返す」という表現がピッタリなので本当はあまり近寄りたくない道の駅さいたで給水休憩、帰り道の中讃南部広域農道ではBMW-RTさんの後ろについてランデブー(爆走?)、直線が速いのは当然ながら、あの巨体でコーナーも結構攻めておられました。最後は空港で飛行機の離着陸を眺めて帰宅すると、バリオスの走行距離が前回のオイル交換から3000kmを超えたのでエンジンが暖かいうちに交換しておきました。

交換といえば、バリオスで出かける前に次男が通勤で使っているトリッカーを移動させようとブレーキレバーを握ったら、握り込んだ奥の方で「グ・グ・グッ」と引っかかるような感じがしたので早速フルードを交換。古いフルードの見た目は意外と綺麗でしたが、やっぱり交換するとスムーズに動くようになりました。前回はDTも同時に交換したはずなのでついでにDTも、と思ったらDTのほうは真っ黒!毎日通勤で使っているトリッカーのほうが圧倒的にブレーキの使用頻度も多いはずなのに。それにDTのほうは特にタッチが悪かったわけではなく、汚れ方とタッチの変化は必ずしも一致しないようで、いずれにしても異常を感じる前に定期交換が吉なんだろうな、と思った次第です。