杉さんのHONDA CB400スーパーフォア ツーリング日記 「難関の十石峠越え／佐久･駿河･箱根ツーリングNo.3」

小鹿野の「化石館」を出て 走るは武州街道(299号線)、よく整備された国道  風を切って快走します。

すると スタンドがあった、しばらく峠道を走るので早めに給油、

リーター158円、安い! やはり小鹿野はライダーに優しい町でした。

ではスタート、左手は赤平川の清流、風も爽やかで とても気持ちがいい、

この辺りは山と民家が見られ、どこか懐かしさを感じる風景です。

秩父路は どこまでも続いています。

すると急に勾配が増し、中低速コーナーが次々現れます。

ここは志賀坂峠、自分史上 上位にランクインする好きな峠道です。

では、ちょっとハイスピード気味にコーナリング、もうレーサー気分、

その先はヘアピンカーブ、ギヤダウンして白バイ乗りでクリア、おっと 地面が近い!

そこから5~6km走ると、巨大な恐竜のモニュメントがお出迎えです。

ここは「神流町 恐竜センター」、駐車スペースがあるので しばしカフェタイムにします。

すると、PCX乗りの中年ライダーがやって来て「こんにちは」と挨拶する。

東京から来たという彼、「もっとツーリングしたいが自営業で 時間が取れそうで取れなくて・・・」と嘆く、

自由に思えるが サラリーマンの方が余暇があるかも、

そこへ マジェスティ乗りの年配ライダーがやって来て、「いや~どうも、いい天気で良かったですね・・・」と会話に参加してきた。

何んとも明るい奴だ、いっとき しゃべって去って行った。

PCXライダー曰く、「お知り合いですか?」と、

いや 知らない人ですというと、「親しそうだから お友達だと思いました」と、ちょっと驚いていた。

じつに楽しい奴だった、誰とでも話せるのがバイクの魅力ですね。

彼はここでUターンして 東京へ戻ると言う。

では自分もエンジンスタート、

ここからは 緩やかに蛇行する「十石峠街道」、秩父山地の谷間を流れる黒川沿いに ゆっくりバイクを走らせます。

そして「道の駅・上野」を過ぎると、そこは険しい山々に囲まれた秘境の地、

対向車は無く 空気も冷んやり、ちょっと不安な気持ちに、

すると 前方にバイクが1台、

カブを巧みに操る赤ヘルのおばさんだ、コーナーも何気に速い!

ゆっくりと追い越し 数キロ先に景色のいい所があり ヘルメットを脱ぎひと休み、

すると、間もなく赤ヘルおばさんが追いつき、さっさと行ってしまった。

これは只者ではなさそうだ。

いよいよ勾配が増し 峠道の雰囲気になってきました。

路面はひび割れが多く 急カーブの連続、バイクは まるで暴れ馬、

しかも 左手は谷底、恐ろしい!

もう写真など撮っている場合じゃない、ここは戦場 自然と人間の戦いだ。

転げ落ちないよう慎重に走っていると、前方に赤ヘルおばさんが悪路と格闘しているではないか。

凹凸が激しいので 時折ステップに立ち上がり応戦、

俺は一人ぼっちじゃない、おばさんは戦友 何故か心に余裕が出てきた。

更に標高が増すと、左前方に秩父山地の山並みが見られました。

そこの斜面は ほぼ絶壁だが コンクリートで修復されている。

ここが通行止めの現場かな?

広範囲にわたり、かなり大がかりな道路工事であったらしい。

そこから少し登ると 路面は新しく快走路、青空と紅葉した木々が迎えてくれました。

何んとも長い道のりだった、ホッとすると同時に 心は達成感でいっぱいです。

そして「十石峠」に到着しました。

駐車場には誰もいない、小鳥のさえずりさえ聞こえない、この世に一人取り残されたような感じです。

では十石峠の絶景とは 如何に!?

ところが「十国峠展望台」は立ち入り禁止、どうやら老朽化で床が抜けてしまったらしい。

絶景を期待して ここまでやって来たのに残念、

ところで 赤ヘルおばさんが来ない、喜びを分かち合いたかったのに、

どうしたんだろう? エンジントラブルか、崖下に墜落か、

そんなことはないだろう、景色のいいところで おにぎりでも食べているのかも!

さて この先は長野県・佐久平の町、今日はそこに泊まることにします。

ここから走るはカラマツ林の中、連続するカーブを リーンアウトで次々クリア、

麓に近づくと視界も開け すこぶる快適ロード、 紅葉を眺めながらマイペースでクルージング、

そして十石街道の終点は佐久穂町、市街地は長い渋滞です。

すると 川が見えて来たのでひと休み、疲れた体を癒します。

町の中央を流れるは千曲川、この地の人たちは この川と共に暮らしてきたのかも、

ここは栄橋、川の流れが何んとも美しい!

前方に聳えるは 浅間山と湯ノ丸高原かな、信州の素晴らしい景色に ちょっと感動です。

それでは鋭気を養ったので出発、

走るは無料の中部縦貫道路、ハイウェイ並みで みんなブンブン走っている。

そして一般道へ降りると、そこは佐久平の町、広大な田んぼが広がっています。

これも千曲川の恵みに違いない。

そんな風景の中、直線道路がどこまでも続いています。

秋の風を感じ しばらく走ると佐久平の宿に到着しました。

ここは予約なしでも ほとんど泊まれるので、気まぐれなバイク旅には便利な宿です。

フロントは若い女性SF、「お泊りですか? シングルルームで宜しいでしょうか?」とテキパキと要領がいい、

一階の健康ランドは無料、ツーリング疲れも解消しました。

食事処では信州の銘酒で一杯、信州サーモンも美味!(1日目 255km)

明日は 白樺の八千穂高原から佐久甲州街道を南下し 甲府へ向かいます。

つづく