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すけすけさん

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【メンテHACK!】スロットルボディを掃除してドンツキとさよならしよう

車種名
YAMAHA TDM900
Myバイク
YAMAHA TDM900

【車両とやることの紹介】

●車両について
ヤマハTDM900

●今回の作業について
スロットルボディ(スロットルバルブ周り)の掃除です。一般的には過走行車に行う作業ですが、TDMの場合は定期メンテのひとつになります。TDMには持病とも言える低速ギクシャク=ドンツキ問題があるんですが、諸悪の根源はスロットルボディの汚れになります。

最近のバイクにはアイドルスピードコントロールバルブ(ISCV)と言って、アイドリング時は別経路で空気量を確保しているんですが、TDM等の古いFI車は、バタフライのみでアイドリングから全開走行まで全ての空気量を調整しています。

このバタフライ部分が汚れていくと軽い症状ではアイドリングや低速時にギクシャクする程度ですが、重度になるとアクセルをクイックに開けただけでエンストしたり、アクセルの反応が薄い中で急にドンッ!と加速したり、低速がとても乗りづらくなったりします。

スロットルバルブを掃除するとどうなるかというと・・
アクセルを少しずつジワジワ開けても、ズドドドド・・と爆発がキッチリ追従するようになります。ストップ&ゴーの多い街乗りの応答性が格段にUPするので、ギクシャクしながらエンストしそうなエンジンとは雲泥の差になります。

●作業時間
慣れた人なら30分、不慣れな人でも1時間かからないと思いますが、エアクリーナーを交換したことのある人は同等の時間で終わると思います。

●作業難易度
スロットルバルブを掃除したことのない人がイメージすると大変に思うかもしれませんが、TDMの場合は難しくありません。エアクリーナーが外しやすいのと2気筒なので手間がかかりません。エアクリーナーボックスを分解しなくて済む分、エアクリーナー交換(フィルター交換)よりも簡単かもしれません。

あくまでもイメージですが、バタフライ部分に汚れが溜まってくると、微量に入るはずの空気が塞がれていきます。当然アイドリング回転数が落ちてくるのでバタフライ角度を広げて空気量を確保するようになります。

そうした繰り返しの先に待ってるのはカーボンが蓄積した壁で、その壁が空気抵抗になってクイックなアクセル反応で遮断されたり、時には一気に流入したりするんだろうと推測しています。

そもそもエアクリーナーから入ってきた空気なのに汚れが蓄積していくって変ですよね。これは全てブローバイガスを循環させてる弊害になります。環境負荷を減らすメリットの裏側がこの部分に集約されているわけです。

今回は画像の中の赤く塗った(本物は黒いけど)カーボンを除去していく作業になります。

作業手順

1.シートを外す

2.両側のサイドパネルを外す
(ヘキサゴン4mm×6本と下部分のプラリベット1本)

3.タンク下のサイドカバーを外す
(プラスネジ1本)

4.燃料タンクを持ち上げておく

フレームとタンクを固定している両側の12mmボルトを外してタンクを持ち上げるんですが、タンクを持ち上げたまま固定する方法は色々あります。私の場合はゴムロープで引っ張ってリヤキャリアで固定しています。ゴムロープはタンク固定用に自作したもので、ちょうど良い長さにカットして両端にフックを取付けています。
注意点としては、ガソリンが満タン状態では漏れてしまいます。予め半分ぐらいの量に減らしてから持ち上げるようにします。

5.エアクリーナーボックスを外す

エアクリーナーボックスとフレームを固定しているボルト10mmを外して、ジョイント部分のクランプを緩めます。クランプはヘキサゴン3mmで固定してあるので、緩める際は元のトルクを忘れないように、ちょうど3週させるなどキリの良い数字にするといいかも。
続いてエアクリーナーボックスにつながるホースを3本(左側2本、中心に1本)と、エアクリーナーボックスの底に付いている吸気温センサーのコネクターを外して、車体からずらしておく。

エアクリーナーボックスに付いてるホース類を全て外すのは大変なので、ある程度外して自由度が増したら針金やヒモなどでハンドル周りにぶらさげておく。

整備時間を短縮するコツはこうしたぶらさげる針金等を「専用治具」として準備しておくことです。タンクを持ち上げるゴムロープ、エアクリーナー固定針金、ブレーキキャリパーぶらさげ袋等、自分だけの簡易的な道具を用意するだけで、ものすごく時短出来るようになります。

7.スロットルボディ内を掃除

掃除するところはスロットルバルブ(バラフライ部分)ではなく、空気の流入経路の方のボア側になります。一般的にバタフライ部分にはモリブデンコートがしてあることが多く、あまりゴシゴシやるとコートが剥がれるとか言われますが、TDMには元からないように見えます。

そもそもモリブデンコートの目的は密閉度を高めることにあると思うので、旧式のISCVのないスロットルボディにはコーティングされていないんじゃないかと思います(間違っていたらごめんなさい)。

バタフライ部分はワイヤーでつながってるので、アクセルひねって開いたままの状態で汚れを取っていきます。アクセレーターロック等持ってる人なら掃除しやすいと思いますが、右手でアクセル開いたまま左手で掃除する方法でも充分OKです。

グランツァー アクセレーターロックシステム エボ
https://www.webike.net/sd/21780727/

スロットルが閉じた状態では、どこが汚れているかよく分かりませんが・・

スロットルを開くと黒い筋のような汚れが溜まっているのが確認出来ます。この汚れがブローバイガスのカーボンで、どんなバイクもブローバイガスを循環している以上避けられない汚れになります。

最近のバイクなら大した問題にならないんですが、TDMのような古いバイクには厄介な問題になるわけです。「最近アイドリングが低いからUPしていこう」と思ってスクリューをクルクル調整する(バタフライの角度を広げる)ぐらいなら、ここを掃除したほうが幸せになれると思います。

バイクによってはブローバイガス以外にも燃焼室からの吹き返しによって、バタフライ部分の裏側も汚れていたりしますが、TDMでは見たことがありません。警戒するのはブローバイガスだけでOKです。

実際に汚れを除去するのはパーツクリーナーでもOKですが、一応専用品も売られていて「ワコーズのスロットルバルブクリーナー」が有名です。パーツクリーナーでは強力すぎてモリブデンコート等も取ってしまいますが、専用品なら大丈夫だったり、たとえクリーナーが燃焼室に落ちても被害は少ないみたいです。

ワコーズ:スロットルバルブクリーナー
https://www.webike.net/sd/23294219/

掃除するときのコツはクリーナーを直接スロットルボディへ吹きかけないこと。バタフライ部分の奥は燃焼室なので、クリーナーがドボドボ入っていくのは避けたほうがベストです。ウエスに吹きかけてから掃除するか、ひどい汚れならブラシに付けてからゴシゴシします。

ちなみにフューエルワン等のガソリン添加剤は燃料タンク→インジェクター→燃焼室という経路なので、バタフライ部分は通りません。インジェクターはバタフライの奥にあるので、ガソリン添加剤系では今回の汚れには効果はありません。

またエアクリーナーボックスから吹き付けるタイプのクリーナー(車に多い洗浄剤、コンディショナー)の効果も疑問です。ブローバイガスの汚れはオイルミストが硬化したような固まりなので、吹きつけただけで取れるほど甘くはないと思う。洗浄剤を染みこませたウエスでこすって落としましょう。

ガソリン添加剤も吹き付ける系のコンディショナーも、燃焼室のカーボン除去には絶大な効果がありますが、スロットルボディには効果は薄いと思います。

掃除が終わったら、外していたコネクターやホース類を元に戻して、タンクやカウルを取付けて終了です。

注意点はホースやハーネスが無理に挟まったりしないよう、どちらが上下か左右か念入りに確認すること。タンク下には燃料ホースもあるので、どこかで噛んでいると始動出来なくなります。
不安な人は外す前に色んな角度の画像を残しておけば、戻す際の取り回しに迷ったときでも安心かと思います。

●まとめ
バイクにFIが入り始めた20年前というのは、まだまだ機械的な部分も多く残っていたわけです。その代表的なのがスロットルボディなんですが、見方を変えると人の手が必要な部分を残してくれていたとも考えられるわけです。これが整備性の悪いバイクだったら泣けてくるんですが、TDMの場合は整備性が抜群に良いところがポイントですね。

例えばプラグやエアクリーナーを交換しても劇的に変わることってありませんよね。ほとんどパーツの寿命前に交換してしまうので体感するほどの変化はないんですが、TDMにとってスロットルボディの掃除というのは「走るのが待ち遠しい」ほど楽しい整備になります。

私の掃除する頻度はオイル交換2回に1回程度でオイルフィルターと一緒のような感覚でいます。仮に半年に1回オイル交換している人なら、スロットルボディの掃除は1年に1回、おおよそ30分費やすイメージになると思います。

●これから作業する人へのアドバイス
スロットルボディの掃除はTDMのように積極的にしたほうがいいバイクと、逆にしないほうがいいバイクに分かれます。掃除しない方がいいバイクというのはISCVのモデルで、構造上スロットルバルブの汚れの影響が少ないタイプになります。そうしたバイクをゴシゴシ掃除するとコーティングが落ちてしまって、再コーティングしなければならないかもしれません。それと電子制御スロットルのモデルなら掃除不可というか、触らないほうが吉ですね。自分のバイクがどんな構造か理解してから作業することをオススメします。

それと長期間掃除していない車両を掃除すると、アイドリング回転数が高くなるはずです。今まで塞がれていた空気の通り道が広がることで、燃焼室に多くの空気が流入するためです。それぞれのバイクにあった方法でアイドリング回転数を調整していって下さい。TDMの場合は右側のタンク下あたりに調整ノブがあります。

定期メンテにスロットルボディの掃除を入れていくと、TDMの唯一の欠点でもある低速の扱いづらさを克服出来ます。欠点さえ無くなれば後は良いことづくめになるので、この辺の整備は「旧車ならではの繊細さ」だと思って、ぜひ挑戦してほしいと思います。

●おまけ

スロットルバルブの掃除と同時に行うとラクチンなのが、各シリンダーの負圧の同調です。TDMは2気筒なので2つがきれいに同調が取れていると、より幸せになれるというお話しです。

そもそもFI車で同調って必要なの?と思われがちなんですが、TDMのような古い構造はキャブ車のようにエアスクリュー回して同調しなければなりません。

負圧同調に必要なのはバキュームゲージです。市販のものなら何でも良いと思いますが、サービスマニュアルでの表記がkPa(キロパスカル)なので同じ表記のデイトナの4連バキュームゲージを使っています。

もうひとつ市販のもので多い表記はcmHg(水銀柱センチメートル)ですが、これも使用出来ます。キロパスカルから変換すると1kPa=0.750064cmHgと出るので、仮に規定値が35kPaだった場合は26.2cmHgとなります。

作業難易度は負圧ホースをつなげられたら簡単です。TDMの場合、左側のスロットルボディが狭くて手が入りづらいので、ここの負圧キャップを取り外してホースを接続出来るかどうかにかかっています。

デイトナ:4連バキュームゲージ
https://www.webike.net/sd/525883/

課題の左側の負圧を取る部分は赤矢印のところです。本来この部分はゴムキャップでフタされているので、フタを取り外してホースをつなげます。私はNAGの内圧コントロールバルブを取付けていて、この部分にはすでに同パーツのホースが取付けてあります。同調作業するときはそのまま流用出来るので、すごく助かっているんですが、今後TDMで同調していきたいと思っている人なら、予めゴムホースを取付けておいたほうがいいかも。ホースの先端にキャップをしておけば良いので、同調作業時がすごくラクチンになると思う。

右はエアクリーナーボックス下にある可変吸気ダクトへつながるホースを流用します。そのままバキュームゲージに差し込めば負圧を計測出来るようになります。

画像は左側のエアスクリューの場所です。バキュームゲージをつないだらエアスクリューを回して調整していきます。スクリューは締め込む方の右回転で負圧が高まり、緩める方向の左回転で低くなっていきます。

数値の変化はアクセル全閉時にバタフライの隙間からどのぐらいの負圧が発生しているかを見るわけです。調整用のエアスクリューはバタフライの奥にあるので、スクリューを緩めるというのはバタフライの隙間以外からエアーが入ってくるということになり、負圧が弱まるという構造です。最近のバイクは全て電子制御されているので、こうしたチマチマした調整は無縁となります。

基本的に左側シリンダーはさわらず、右側を左に合わせていくのがルールですが、そもそもエアスクリュー自体も汚れていくので、たまに外して掃除したり新品に交換したりしたほうが良いと思っています。

エアスクリューといえば回す回数を覚えておかなきゃならなかったり、ちょっと緊張しやすいパーツなんですが基本的には左側を全閉にして、右側を左の数値に合わせていってます。仮に右側のほうが低い場合は右側を全閉にして、左を緩めて合わせています。

FI車のエアスクリューは単に同調取るだけなので、キャブ車と違ってシビアにならなくても良いというか、全閉にしても規定値を超えることはありません。逆に緩めすぎると意図的に二次エアーを作り出すことになってしまうので、1回転以上は緩めないほうが良いように思います。

右側のエアスクリューの場所です。こちらのほうが広くて作業しやすいです。

ちなみにTDMは一切バラさなくてもエアスクリューの調整が出来るようになっています。必要な工具は長いマイナスドライバーで、私は100均で購入したものを削って(ドライバーの先端がスクリューのヘッドにフィットするように加工して)使用しています。

TDMの負圧の規定値は33~36kPaです。今回左側を全閉にしたら35kPaだったので、右側も同様ににそろえました。同調させることによりバラツキが無くなり、よりスムーズになるので低速時の走行がかなり安定するし、加速時の振動も減るようになります。

1万円程度のバキュームゲージでどれほどの精度が出るかは分かりませんが、負圧が低くなる原因はインマニの劣化=二次エアー、バルブクリアランスのズレやピストンリングの摩耗等=圧縮漏れが考えられるので、負圧を定期的に測定することでトラブルの早期発見に気づきやすいと思います。

作業する上で難しいポイントは負圧ホースをつなげるところで、この辺に対策していれば今回のスロットルバルブの掃除にプラス10分程度で同調作業が出来るようになります。

おまけで書くつもりが長くなりました。すみません。以上で終わります。
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