教習車は「ホンダCB400 SUPER FOUR」なかなかいいバイクじゃないか。最初の緊張もどこへやら、教習所に通うのが楽しくて仕方なくなる。昔のカンを取り戻しつつある自分が嬉しくてメットの中はニコニコ顔だ。「クラッチは4本指をかけて。爪先はシフトの上だよ」なんて注意されたり、一本橋をうまく渡れて誉められたり。指導を受けることや叱られることそれ自体が、普段の生活ではなかなかないせいもあって新鮮だ。「最近なんだか元気ね」と妻に言われる。「そうかな?」なんて答えながら、ちょっとした罪悪感と同時にどこかしら誇らしい気持ちが起こる。そんなある日に事件は起こるのだ。
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