新しくなったプロフ画面を充実させてウェビ友を作ろう!

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きたきつねさん

ステータス

日記投稿件数
424件
インプレ投稿件数
20件
Myバイク登録台数
13台
ウェビ友
45人

ツキノワグマ生態観察トレック

ツーリング期間
2020年11月14日 ~ 2020年11月14日
車種名
HONDA CRF125F
Myバイク
ハードアタッカー

今年は熊たちが人類の生活域まで入り込み、迷惑をかけていると聞く。そして我々ライダーも迂闊に山野での活動が取れない状況となった。
そこを逆転思考で敢えて彼らの生活域に入り込み、彼らの生態を理解することで対策を検討するという、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」作戦を決行した。
なお、今ミッションは私、きつね隊長が単独により執り行う。

天高く空晴れ渡る11月14日。
0930、装備を万端整えハードアタッカー號にて出動。
行動範囲は新潟県の東部山間地域である阿賀町だ。
周囲を見渡すと紅葉はすでに終盤、枯れ色が目立ち始めている。

第一ポイントへ向かう林道だ。
この時期だと車の往来もほとんどなく、快適な走りが楽しめるのである。

この林道の中ほどに、ちょっとした広場があったためここにマシンを停め、小休止。
ペットボトルの茶を飲みながら周囲を観察していたところ、良いものに出会った。

ふふ。分かるかね?
落ち葉の中から顔を出しているのはナメコだ。
周囲の落ち葉と同系の色彩であるため、近くに寄って気付いたのだ。
半ば土に埋れた倒木から力強く生えてくるナメコに秋の深まりを見た。

林道のさらに進んだところに、ちょっとした分岐を目ざとく見つけた私は、躊躇なくそのルートへと進んだ。
ブナ原生林の中を曲がりくねった道が奥へと延びている。
ふふ。好奇心が大いにそそられるではないか。

アップダウンの激しい路面をしばらく走行し、ルートの終点に到達。
ふう、ここで再び小休止としよう。

この地域は特に熊が多く生息している。私は対策のためにザックへ熊鈴を取り付けて、周囲に鈴音を響かせるようにしている。しかし、油断は禁物だ。

マシンのすぐ近くの立木に、「モンスターエナジー」のロゴマークのような痕跡を見つけた。

ふむ。これこそ、ツキノワグマの縄張りを示す爪痕である。
各地の登山道脇で、熊の爪痕に似せた切り跡をナタやナイフで付けている不埒な悪戯を見かけることがある。しかし、私にはそれが人為的なものか否か、一目で区別できる。

見たまえ、この木などは幹の上部まで多数の爪痕が残されている。
樹種はブナなのだが、滑らかな表皮にくっきりと刻まれた無数の爪痕は、この木を餌場とする熊の存在を物語っている。

通常、10分程度歩いてみて1.2カ所程度の頻度で見つかる爪痕だが、この森で探索すると、非常に多数の痕跡が見つけられる。
これほどの密度で観察されたのは、私も初めてのレベルだ。
その事実は、ここが熊の定住する地であることを明確に表わしている。

ますます周囲への警戒度を高めつつ行動する私の横に、それは突如姿を現した。

私の前方15メートルほど、コナラの根元付近に佇む1メートルほどの黒い姿。
ムッ。ついに、姿を現したか!背筋に走る緊張。息を潜め、身じろぎせず観察する。
・・・む?
・・・・・むむう?
どうした、まるで動かぬではないか。
そろりそろりと接近したところ、その黒い影は朽ち木の根元であることが判明。
なんと、紛らわしい。

周囲に残る紅葉を楽しみながら、さらに探索を続けた。
この季節は、すでにブナの葉が散っているため森が明るく開けたように感じられる。

朽ちた倒木に、「シロキクラゲ」が発生しているのを発見。
シロキクラゲといえば、中華料理のデザートでフルーツポンチに入っているものが人気であるな。あのフルフルした食感は特筆に値する。
そのほとんどは中国からの栽培輸入品であり、このような天然物は、大変貴重である。

続いて、黄褐色の大型キノコ、おそらく「マスタケ」であろう。
最大直径30センチ以上もあるキノコが群生する様は、見応えがある。

分岐点へと戻り、当初の林道をさらに奥へと進んだ。
静かな原生林の中、野鳥たちの声が響き渡る。

またしても怪しい分岐点を発見。
かなりの藪のなかを進むと、湿地のような場所へと出てきた。
・・・なんのために造られた道なのか。

湿地に残る、多数の足跡。
これはイノシシであるな。
近年新潟の山間地において爆発的に生息を拡大する新興勢力だ。
農作物への被害が懸念されており、その意味に於いて熊以上に警戒を要する存在となっている。

ふっふ。またしても今探索に於いて新たなる有望ルートを、見つけてしまった。
急坂を谷へ向かってグイグイと下りていく、スリリングなルートだ。
探索の結果、広大な範囲の一部しか確認してこなかったが、泥濘、倒木等の障害が多数存在し、大変刺激的なポイントであった。

さらに数本の林道を走り継ぎ、このようなポイントへとやってきた。
岩肌に残る黄葉が良い風景を作り出している。

林道頂部からの眺望。
碧い空へ浮かぶ綿雲。
この穏やかな小春日和の陽射しの中で昼食を摂った。
おにぎりとお茶だけのシンプルな昼食だが、私にはこれでも贅沢に感じられてしまうほどに恵まれた環境だ。

昼食を済ませ、周囲の森に目を凝らす。
・・・
・・・・・
居た。おそらく、アレだ。
谷向こうの山の中腹、私がいる場所から1キロほどの距離か。
10数メートルの立木の枝に、黒い動物がうごめいている様子が、私の目には解った。
ときおり周囲の枝をたぐり寄せている仕草を繰り返す。

これは熊の習性で、「クマ棚」と呼ばれる、直径1メートルあまりの巨大な鳥の巣状の痕跡。
これは熊が餌となる木の実を自分のほうへ枝ごとたぐり寄せることでできる生活痕なのだ。

左の画像は昨年初冬に見かけたオニグルミの樹上に形成されたクマ棚だ。
今、まさに観察中の熊はこの状況にある。
偶然ではあったが、本日は良い機会に恵まれた。

昼食ポイントより麓の集落へ向かい、周囲に無数に存在する細いダートルートへ進む。
進んだ奥にさらに現れる分岐。蜘蛛の網のごとく張り巡らされた迷宮ルート。

藪が深く、完全に廃道化したそのルートは、なんと、麓に存在する集落まで出てくることができるのである。
ここは数年前、私の隊のメンバーとともに突破したことがあったのだが、あまりの荒れっぷり、本当に通過できるルートなのか半信半疑な隊員達の反応が見ものだった。

そしてこのルート中でも熊の痕跡を発見した。
40年ものの杉の地際付近の樹皮が、無残にも引き剥がされているではないか。

この現象は「熊剥ぎ」と呼ばれるもので、熊が杉の樹皮を剥ぎ、内皮を囓り取ったことでこのような状態となる。
樹幹に多数残された歯形、これが決定的な証拠だ。
鹿やカモシカなども杉の皮を囓ることがあるが、彼らは比較的若木を狙う事が多い。
熊による皮剥ぎは、杉の枯死に繋がる深刻な被害を生み出している。
それほどまでに、今年は山の食料が逼迫している現れなのだ。

最後に。
ツキノワグマに関する観察として、以前のトレッキングで観察されたものを紹介しよう。
これは足跡である。泥濘から舗装道へ出てきた際に、くっきりと残されたものだ。

そして、この季節の熊の糞にはクルミの殻が多数含まれているのが解る。
クルミは冬眠前の熊の重要な栄養源。
そのため、新潟県内に於いてクルミ拾い中に熊と出くわし、不幸にも被害に遭った老人がいたと報道されている。
誤解してはならないが、熊は決して人間達の敵などではない。本来森でひっそりと暮らす、平和主義的な動物なのだ。
それを踏まえた上で、ウェビコミュの諸兄も山野へ出向く際にはくれぐれも熊への用心を怠ってはならない。万一、出くわした際には極力冷静に行動すべきである。

以上、私からの調査報告を終了する。
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コメント(全12件)

チバアヒル(令和の馬笑)さん
おはようございます♪

房総の獣といえば、猪とキョンなので、きっと熊と出会ったら硬直してしまいそう(^^;
  • (0)
  • 返信
NINJA BAKAさん
動物、植物、鉱石、昆虫・・・に精通しておられる!
なぜにそんなにも詳しいのか。
大自然を味方に付けて生活できちゃうそのすごさ。
恐れ入ります。
  • (0)
  • 返信
さすらいのライダーさん
こんばんは!

冬眠に備えて、腹ペコのクマが1番活発に活動する季節。それなのに!?敢えて熊の巣へ突入するきたきつねさんって、恐れを知らない地上最強の生物か!?と思ってしまいます((((;゚Д゚)))))))
しかも、ツキノワグマって、北海道のヒグマよりも気性が粗く、今年は熊害が来年に増して発生しています。

昔はよく単独でプラーっと林道を走りに出かけたものですが、年齢と共に命根性が汚くなってきて今では一人では林道ツーリングも行けなくなりました(*≧∀≦*)

クマの爪痕を見た日にゃ、その場でフリーズして失禁&脱糞してしまいそうです…
  • (0)
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パンダさん
きたきつねさん(。^ω^)ノ゙ コンバンワ!

熊の生態調査、お疲れさまでした!(`・ω・´)ゝオツカレッス!

たしかにこちらでも熊による被害など、ニュースで度々見るようになりました。
そう言うのを見ると、怖いもの見たさで出会いたい気持ちもありますが、
C7とか見るととんでもないですね。Σ(゚ω゚;)マジカ!?
一撃でやられそうな上、私がやったら生爪剥がれそうです。(*≧ω≦)アッハッハ!

キャンプ...とくに野宿の時は気を付けないといけないですね~。
あ、C9を見たら、なんとなく川口浩探検隊を思い出しました。(。^ω^。)
  • (0)
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Refさん
こんばんわ。
3本の爪跡で、妖怪人間ベラを思い出しました。最初の漫画の方ですが、引っ掻かれたら痛そうというので覚えています。

シルエットはそっくりですね!!
なにはともあり、敵陣地への偵察行で遭遇戦も無く、無事ご帰還、ご苦労様でした。
  • (0)
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きたきつねさん
千葉家鴨殿:先だっては貴殿の日記で越後魚沼の史跡を紹介頂き、感動致した次第である。
成る程、千葉はたしかに危険な大型獣は存在しない模様。なれば安心して野営を楽しめるのだな。こちらではむやみに山中で野営しようものなら、夜半寝付いた頃合いに周囲の藪がガサガサと音を立て、大型獣の接近を知らせるため寝袋の中でナタを握りしめてヤツらの攻撃に備えることもある。実はそんな緊張感すら旅のスパイスと感じる今日この頃。
  • (1)
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きたきつねさん
忍者殿:山を活動フィールドとし、常に自然から学ぶ姿勢を忘れない。このような野生生活を長年続けた結果、現在のような山馬鹿になってしまった私だ。
山は、じつに良い。あの静けさ、澄み切った空気、旨い水・・その中で刻を忘れて過ごしていると、浮き世の憂さから解放された気分を味わうことが、できる。
例えるなら、忍者殿が愛機を整備して過ごす時間と似ているのやもしれぬ。
  • (0)
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きたきつねさん
さすらい殿:ふふふ・・・この大自然の中に於いて、生態系の頂点に君臨しているのは私にあらず。私の奥方なのだよ。屈強な私ですら組み伏せられてしまう野性的メンタルの持ち主、それがマイワイフ。
私の祖先は金太郎ではない故、真っ向から熊に立ち向かっても勝ち目はない。熊の巣にこちらから踏み込む際には、常にフェイスオープンのヘルメットを被ったまま行動することで、熊の得意な頭部クラッシュへの防御としているのだ。
熊を恐れるのではなく、熊を理解し森の住人の一人と捉える。出来るならば共存共栄の道を歩みたいものだ。
  • (0)
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きたきつねさん
パンダ殿:一日どっぷりと大自然に浸ってきたこの日、山中でこれほどまでに熊の存在感が濃いところへ偶然出くわした。世間ではこの秋、熊による人的被害が多数報告されているため、物見遊山的な感覚で踏み込むことは許されない。
熊に出会えば危険であるという感覚、その一方で熊の姿を直に観察したいという貪欲なまでの好奇心からのアンビバレンスな気分を感じた次第である。
熊の爪は昨年、山形の飯豊町にある「マタギの里」の剥製を間近で観察した際、太い腕が繰り出す頑丈な爪の攻撃を想像したのだ。その結果がChap6の通り樹皮を深くえぐり取る傷を生じさせる。これによる頭部への直撃は致命的だ。
であるからして、Chap6のシーンであまりに良くできた熊のデコイと遭遇した際には非常に緊張感が高まるシーンであった。
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きたきつねさん
審判員殿:妖怪人間、私も野生動物ゆえ、一度は口走ってしまう「早く人間になりたい!」のフレーズであるな。幼少時、あのスライムみたいな液体から妖怪人間が誕生するおどろおどろしいオープニングシーンには底知れぬ恐ろしさを感じたものである。
む?ベム:私、ベラ:きつ姉ェ、ベロ:きたきつねとするとなぜかキャラが填まるように感じる。我々は妖怪人間か?
Chap6:ご指摘の通り、あまりに酷似したシルエット、かのバラエティー番組「珍〇景」に投稿した方が良いのだろうか。
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MugenRSさん
きゃー!バタン!←死んだふり
速攻でしてしまいそうです。
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きたきつねさん
無限殿:ふむ、無限殿が住まう九州には熊が生息していないため馴染みがないのであるな。こちらは犬も歩けば熊に当たる、猿も木から落ちて熊に当たる、猫も杓子も熊だらけな地域であるためご覧のような様相を呈しているのである。
まあ、熊だからとむやみに恐れる必要は、ありませんな。
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