腰下の作業が完成したエンジンを載せました。
ノーマルボアのシリンダーをベースにライナー内部の錆びを落とし、シンナーでシリンダーの外部に吹きかけてあるボロ隠しの黒色を落としました。
ヘッドもアルミ錆びや泥汚れの上からスプレーで塗装してあり、機能に関係は無いのですが洗浄し色を落としました。
ピストンに傷が多数あったのですがペーパーで修正して再使用です。
車載状態で腰上を組み、オイルタンクを洗浄し、タコメーターワイヤーやクラッチワイヤーに給油し、キャブレターやチャンバー等を組み付け、ミッションオイルを入れて完成しました。
点火時期をサーキットテスターで荒く調整しフライホイールを組み、ポイント調整しましたがケッチンが多く点火時期が正しくない様です。
フライホイールを外さないと点火時期を調整できないので何度か脱着しつつ試し、始動に成功しました。
始動後にタイミングライトにて点火時期を確認しましたが、振れ幅が広くはっきりしません。
オイルポンプの吐出を確認し、オイルポンププーリーの位置調整をし、ミッションとクラッチの作動点検をしました。
異音も無く作動に問題はありませんでした。
スロットルワイヤーからオイルポンプに向けて分岐しているワイヤーに癖がありオイルポンププーリーがアイドリング位置まで戻らない様で暫くアイドリングをしているとスパークプラグがカブッてきます。
各部の作動確認が済むまでは外部タンクから混合ガスで始動させているので余計にオイルが濃いようです。
夕刻、オーナー氏が見に来られました。
アクセルワイヤーは廃番なので探して後日交換する様にお願いし、不安があるクラッチのフリクションプレート等について説明しました。
コメント(全2件)
実際にそれなりの費用・時間・リスクがかかるのでしょうね。
杉さんを友人にもったDTのオーナーさんはラッキーだったと思います。
商売で作業するならエンジン修理35万円の請求になると思います。
車両の購入価格をハッキリと聞いてはいませんが、14万前後だと言ってた様な気がします。
ヤフオクには「キック一発、レストア済み」が35万で売られていました。
この車両は修理費用と価値を天秤にかけると廃棄になるでしょう。
最初の依頼前からオーナー氏には「車両全体のフルレストアには工賃抜きでも80万程度の予算が必要だから修理はヤメましょう。レストア済みの車両を35万で購入してこの車両は部品取りにするのが正解だと思うよ」と言ってたのですがゆっくり少しづつレストアする楽しみが欲しいと言われたので手を付けました。
結果、エンジンだけでも酷い目に遭いましたがオーナー氏とDTの役に立てて良かったです。
今回修理を受けなかったら廃棄されたでしょう。100%の完成度は無理でしたが普通に走れる様になってバイクは喜んでると思います。