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ハリーさん

ステータス

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373件
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0件
Myバイク登録台数
27台
ウェビ友
8人

VTR:北海道で鹿にぶつかった思い出

ツーリング期間
2015年05月03日 ~ 2015年05月03日
車種名
HONDA VTR1000Fファイアストーム
Myバイク
VTR
走行距離
540km

北海道ツーリングで鹿に衝突したことがある。その顛末をまとめておきたい。2015年のGWに初めての北海道ツーリングへVTR1000Fで行った時の出来事だ。

朝7時にJR名寄駅前の宿を出て宗谷岬を目指していた。天気はまずまずで当日は400kmほど走って同じ宿にまた帰ってくる予定だった。出発して70kmほどで音威子府を過ぎて気分良く国道40号線を北上している、その時だった。

緩やかな右カーブを80km/hほどで流しつつ、右側の風景から視線をふと正面に戻すと「彼女」は目の前にいた。

大きな衝撃と破壊音。とっさのフルブレーキングだったが、握りゴケは避けなければと右手のブレーキングをコントロールしたのを覚えている。奇跡的に転倒はまぬがれて、VTRを路肩に停車した。

頭の中が真っ白になった。自分とVTRに何が起こったのか。

バイクを降りて破損状況を確認した。何が起こったのか、だんだんと理解できるようになった。状況が好ましくないことも把握できた。

エンジンは問題なく再始動できた。右カーブ出口の外側で路肩も狭く危険だったので安全な場所に移動することにした。

「彼女」の姿は見あたらなかった。

***イメージ画像です***

ぶつかるその瞬間に「彼女」のつぶらな黒い瞳と目が合った。本当だ。私の両目はひん剥かれていたことだろう。

「彼女」は小さくなかった。腰の高さがちょうどVTRのヘッドライトくらいで体重は100kgくらいだろうか。その「彼女」の左腰あたりにVTRは80km/hで突っ込んでいった。「彼女」も痛かっただろうな。

国道沿いの退避場所を探しながら、様々な考えが頭をよぎっていた。

北海道ツーリングはここで終わりか? VTRはどうする? この近くのバイク屋はどこだ? レッドバロン旭川店に引き取ってもらおうか? 旭川から小樽港まではどうやって行く? 新日本海フェリーのバイク料金はキャンセルできるのか? 舞鶴から広島へはどうやって帰るんだ?

しかし、うろうろと走りながら気がついた。そう、VTRはカウルとライトとフロントフェンダーが壊れただけで走行には特に問題がなかった。

退避場所でじっくりとVTRをチェックしながら、まだ諦めるのは早いと自分に言い聞かせた。

やっと実現させた初めての北海道ツーリングをこんなところで終わらせたくなかった。こんな終わり方では北海道ぎらいになってしまう。

まずは名寄に戻る。そこで応急処置を施してVTRの復旧状態と時間が許せば、また走る。ダメならばそのまま名寄で一晩泊まって考えればいい。

割れた左カウルはシートバックに縛り付けて、折れた左ウインカーは左ミラーに縛り付けた。ライトもウインカーも点灯した。名寄までの70kmは安全第一で走った。

名寄まで走っている間は、頭の中で修理イメージを練りに練っていた。正午前に大型ホームセンターに到着した時には、購入する修理ツールは決まっていた。

割れた左カウルを前カウルやフレームに固定するための針金とペンチ、そしてカウルとライトを補修して見栄えも良くするための赤と透明のビニールテープだ。

割れたヘッドライトをよく見てみると下の方に「彼女」の体毛がひっかかっていた。「彼女」も痛かっただろうな。

晴れてきたので暑くなった。ホームセンターの駐車場の片隅に日影を見つけて、そこで小一時間ほどVTRの修理に没頭した。

VTRはなんとか甦った。パッと見は損傷個所に気がつかないくらいだ。これなら整備不良で咎められることもないだろう。ライトの光軸がずれているようだが、そのくらいは仕方ない。

時間は午後1時半くらいだった。明日の夜には小樽からフェリーに乗る。日程に余裕はない。どうするか。広島から名寄まで来ているんだ。宗谷岬まで残り200kmのところまで。そんなに何度も来られるわけじゃない。来年はもう来られないかもしれない。行くしかないだろう。

食べ忘れていた昼食をセイコーマートで軽く済ませてから、再び国道40号線を北上していった。

ぐいぐいと走って遠別からオロロンラインに出た。VTRは快調だ。

オトンルイ風力発電所の風車を眺めていると、キタキツネが寄ってきた。意外な人なつっこさだった。来て良かった。

傷つきながらもオロロンラインを疾走するVTRに惚れ直した。

利尻島は雲でかすんでその姿はぼんやりとしか見えなかったが、サロベツ湿原の雄大さには心を奪われた。アクセルを開かずにはいられない。来て良かった。

初めての宗谷岬に到着したのは午後6時すぎだった。厚い雲がたちこめて夕暮れの冷気も迫ってきていたが、苦労して辿り着いたので感無量だった。来て良かった。

この角度からの写真では、事故車であることは分からないだろう。

ここからはオホーツク海沿いに南下していく。無事に名寄まで帰ることが残されたミッションだ。

浜頓別のセイコーマートで休憩した。寒かった。ホットコーヒーを持つ手がかじかんだ。ここで防寒のためにレインウェアを着込んだ。

VTRはライトのリフレクターも割れていたので前方を照らすことはほぼできなかった。夜間走行は極端にペースダウンした。浜頓別から音威子府までの国道275号線では、目の前をのんびりと走るトラックのテールランプが頼りだった。

名寄の宿に帰り着いたのは午後10時だった。

寒さと疲れでぐったりとなっていたが、言葉で言い表し難い達成感があった。忘れられない1日になった。「彼女」のおかげで。
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コメント(全10件)

今日から俺もコミネマンさん
ハルさんこんばんわー
バイクの状況からして、転倒しないで体が無事だったのがなによりでした。
当たり所もフロントフォークなど硬いところじゃなく、カウルだったから彼女も軽症だったと思いたいですね。
冬が近づいてきたからか、仕事からの帰路は夜道を毎日キツネが目の前を横断するようになりました。
私もケモノちゃんたちとの接触は気をつけたいところです。
  • (0)
  • 返信
ハリーさん
今日から俺もコミネマンさん、コメントどうもです。
ほんとに転倒しなくて良かったです。奇跡でした。彼女もすぐに現場からいなくなりましたから致命傷とかではなかったと思っています。

動物たちにも罪は無いとは考えていますが困りものです。お互いに気をつけてバイクを楽しみましょう。
  • (0)
  • 返信
サラリーマン太郎さん
針金とテープだけでよく復活できましたね。転倒しないスキルがあったおかげ?
  • (0)
  • 返信
ハリーさん
コメントどうもです。あくまでも応急処置ですからね。真っ赤なマシンで良かったです。転倒しなかったのはたまたまでしたが、おかげで宗谷岬へ行けました!
  • (0)
  • 返信
decopeiさん
色々と凄過ぎて、何から突っ込んでいいのかわからないくらいです。

転倒回避に始まり、的確な状況判断、修理技術、そして折れない心・・・。私ならどれ一つとしてクリアできません、というか、最初の時点で転倒しておしまいでしょうね(笑)。
  • (0)
  • 返信
ハリーさん
decopeiさん、こんばんは。
転倒回避はまぐれです。状況判断はいいところだけを書いています。修理はテープべたべた貼りです。心は・・・一度は折れていたんですけど、どうにも悔しくて悪あがきで粘りました!
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E.I.S.RIDER(キムキム)さん
はじめまして。
鹿と衝突してお身体の方は大丈夫だったのでしょうか?
バイクもカウルが割れたりと大変だったでしょうが自走出来る状態だったのが不幸中の幸いでしたね。
私の場合車で鹿に衝突したことがありますがフィットが廃車になりましたよ?
VTR1000F良いですね!昔いつか乗りたいと思っていたバイクです。今は家族がいるので維持費優先となりホーネットに乗ってますが、やっぱりいつか乗りたいです。
  • (0)
  • 返信
ハリーさん
はじめまして、E.I.SRIDERさん。コメント、どうもです。
身体はなんともなかったです。転倒しなかったのが幸運でした。あああ、フィットは災難でしたね。鹿衝突アクシデントは色々な話を聞きますが、私のケースは珍しいようでしたので紹介させてもらいました。
VTRいいですよ!元気だったころのホンダが気合いを入れて造ったことが感じられるバイクです。ご家族を第一に過ごされた後にはいつか乗ってみてほしいです。けっこう安いですよ!
  • (0)
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ブリ太郎さん
ハリーさん おはようございます。
私も北海道行ったとき、鹿と遭遇してびっくりしました。
あいつらデカいですよね!
リカバー出来て良かったです。
  • (0)
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ハリーさん
ブリ太郎さん
オロロンラインでは2頭の巨大なオス鹿に目の前を横切られてビビりました。
あのデカさはたまりません。広島の鹿より二回りデカかったです。
オス2頭かぁ。それは5年前のことですがLGBT的に時代を先取りしたヤツらでしたね。
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