ポイ・シュガポフさんのHONDA ハンターカブCT110 近況日記 「ネオクラブームとハンターカブ評」

同じホンダのバイクでCB1100EXというバイクがあります。とっても人気車です。
販売ランキングの大型車部門でここ数年トップ5から落ちたこと無いと記憶しています。
意外にも欧州・米国でも結構売れているそうです。
よくダブルサスで丸目のネイキッドなんて日本でしか売れないガラパゴスだ、なんていう人いますが、知ったかぶりもいいところだったりします。恥かかないうちにちゃんと調べましょうね。

で、このCB1100EX、モチーフは勿論名車CB750Four。
説明不要の人気旧車ですね。超人気。相場は何と300万円台!

ネオクラブーム、と書きましたが、恐らくセールス的に言えばホンダのCB1100EXの一人勝ちでしょうね。XSRとかZ900RSとか色々出てきてますが、ホンダのCB1100EX 1車種でのセールス実績に勝った国内メーカーのネオクラバイクはまだありませんよね。
W650って超えてたっけ?あれモデルヴァリエーション多いからなぁ。SRは継続モデルなので選外で。

CB1100EXの何が凄いか?
2つの顧客層を攻略した点です。
最初のグループ。それは、CB750Fourを愛してやまないが、所有できない人。
まぁ、これが大多数です。実際200万円~の旧車なんて買えません。こかしたら、何て想像したらイベント位しかガレージから出せませんよ。それに盗難の危険がかなり高い車種です。これほんと割とシャレになってない、です。

もう一つ、それはCB750Fourの現物のオーナー達。
CB750Fourは旧車としてはその維持に最高レベルで恵まれている車種です。
大勢のマニアから世界中で愛され、アフターパーツも豊富で新車顔負けの充実ぶり。毎年続々と世界中でパーツがリリースされてます。今年なんてホンダから重要パーツの再販までされる次第。いや~、羨ましい。そのオーナー達も上記の理由あってか、座敷CBと化して中々ガレージから出せない。オーナー達の高齢化もありますな。旧車でお出かけ。神経使ってばかりでこれは実際しんどいですわ。

で、ドリーム店でCB1100EX観て「おっ、これいいじゃんか、1台もらうわ」「ハイ、よろこんで~!CB1100EX一丁入りました~~」となる訳です。

・・・・ここで大事なのが、「これいいじゃんか」と言わせる完成度です。
新車で乗り出しは140万円ほどかかります。でも最新テクノロジーはてんこもり。値段に見合う内容です。
詳しくはドリーム店でどうぞ。あなたがお金持ってそうなら何時間でも説明して貰えます。見るからに貧乏そうな人はホンダ公式HPをご覧ください。

と、まぁ、色々書きましたが、まとめますと「オリジナルが300万円くらい。でもその半値で最新テクノロジー満載の隙の無い完成度の新車だせば売れる。300万円だせないやつも買うし、300万円すでに払ったやつにも売れた(笑)」というホンダの成功例なのです。

これが「ネオクラというジャンル」、の正体だと思うんです。


カワサキ、ヤマハ、スズキの戦略と各モデル観てみるとどれも作り込みが中途半端で、元のモチーフも馬鹿にしたようなハンパなモノマネレベル。

どうもネオクラというジャンルを理解していない気がするんですよね。「古いバイクっぽく作ってみました」じゃないんですよ。オリジナル持って人まで惚れさせて納得して買わす完成度、これが無いんです。いや、無さそうなんです。(まだZ900RSとか現物観てなかったw)

さて、そんな成功例をホンダはみごと作ってみせた訳ですけど。

同じ社内で仕事の出来ない子たちがいま~す!!!

えぇ~~~~~っ?!だれ?だれ?

ビシィっと指差し「君たち、原付2種のグループですぞ!!」ハイ、そんじゃハンターカブに話移りますね。

メカニズム的な事、無視されがちですから、おさらいしときます。

まず、横型空冷エンジンで最強モデルになってます。
110ccで4速リターン。CDI点火。
これだけで普通の50ccとか90ccの3速のカブエンジンから改造しようとすれば20万位かかります。つか、20万円位かけちゃった人は後から気付くんです。ノーマル110の4速エンジン中古で買った方が安い、と(笑)。

物凄くはしょって書いてます。

え~と、それとフロントサスペンション。普通のカブはボトムリンク式。ストロークが凄く短いです。乗り心地も性能的にもお察しレベル。(最新モデルはテレスコピック式になりましたね!!)性能を上げるにはテレスコピック式に交換するしかありません。ハンターカブは最初からオフロード走行対応のテレスコピック式です。
リヤサスペンションもオフロード走行に対応した強化サスが標準。

うん、ノーマルカブを手に入れて色々不満に思う、改造したいとみんなが思う事、ハンターカブは殆ど終わってるんです。しかもパーツのほとんどが安心の国産パーツ、製造も全て熊本工場生産。

そう、確かに70万円はヒドイと思うんですけど、40万円という相場はそんなに悪い値段では無いんですよね、実は。

40万円。カブに?!

この部分についてはですね、非常に微妙な問題です。
個人差があります。いや、ありすぎます。

ワイも色々考えた結果、ハンターカブ買いました。

一つ言えるのは、最初に上げたCB1100EXの例。
あの、完成度が新車のカブには、どれも無かった。
30万円ほどでクロスカブ買えるのは当然知ってましたし、ブロス店まで行って試乗もさせてもらいました。

でも、その結果はハンターカブを選んだんですね。
はしょって書きますと、もしクロスカブ買ったらあれやこれや改造したい、という部分をよ~く考えたら、20万円プラスしても収まらないわ!!!!と簡単に導き出せたからです。
単純に20万円プラスって金額だけの話じゃないんですよ。

バイクいじり好きなら判ると思うんですが、その20万円分、改造する行為を楽しめるなら、それを選択します。
そのプロセスを楽しむ、バイクいじりの本質です。

それか、もしくは改造終わったら絶対スゲーカッコイイ完成形がある場合、です。出来上がりが凄い、って場合。
でもクロスカブ、例えばTAKEGAWAのデモ車。これ観てもワイは欲しいとは思えませんでした。
CB1100EXで出てるCB750Four改造キット。あんなのが販売されていたら別なんですけどね。つか、あれドリーム店で展示車を観ましたけどすげー完成度ですよ!!!あれで200万円で収まるなら買っちゃうの判ります。(ワイも思わず買いそうになったです)

正直、クロスカブにはCB1100EXほどの説得力は無かったんです。クロスカブ買っても結局ハンターカブ欲しい病は治らない。これがワイの結論でした。

※※※※※※※ 凄く個人的な感想です ※※※※※※※

こんな旧車マンセーな日記を書いて翌日。

いきなりこのニュースである。

http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_002789.html

いやあ、どんだけ~!

まあ、ユーザーじゃないので、ワイは必要以上に騒ぐつもりは無いのですが、個人のチラシの裏だけど、これはヒドイと言わざるを得ないな。

ワイの死んだジーちゃんの仕事の話ってこの間叔父さんから酒の席で聞いてきたんだけど、じーちゃん、色々職歴あった人なんですけど、最後は某FJ重工で外注先の技術指導と品質管理の仕事をしていたそうです。

外注先の製造工場まで出向き、こうしようああしてみようと一緒に考える。年の半分はそんな感じで帰宅しない人だったそうです。昭和30年代までのお話。

メイドインジャパンの神話ってあるじゃないですか?
別に日本人だから優秀だとか、人種論みたいに語る人いますが絶対に違いますね。誰かが、モノ作りはこうしよう、と決めて実行してきたからこそ、^日本メーカーは現在があるわけですよ。

うちのじーさんみたいな人が日本中に一杯いて、モノづくりしていた遺産ですな、と思った次第。

つか、じーちゃんのラビット、かっこよかったなぁ、もう叔父さんとっくに売っちゃったそうだけど。