ハーレーは諦めたものの、バイク購入の言質を取った僕は、何を購入しようかとウキウキ気分。小さめで自分でもいぢれるヤツがいい…。
数あるバイク雑誌を読んでいたが、ハーレーの記事も多い『STREET BIKERS』を見ていると(SRもナカナカいいなぁ…)と思えてきた。
僕らの若い頃はSRってドコか野暮ったいイメージがあった。「速いこと」がバイクの存在意義だった。バイクに「味」なんて求めていなかった。
でもイマドキのSRはイメージが違うみたい。雑誌の中ではみんな思い思いのスタイルで自分を表現している。結構カッコイイじゃん。そんな風に思えてきた時に、仕事でよく通る道脇にSR専門店があることに初めて気付く。
ちょっと覗いてみるか。そう思って立ち寄ったら、もうダメですよ。ある一台のSRが僕を手招きしているんだよな。オトナ買いですよ!その場で即決、現金で購入したもんね。
空冷シングルって、僕の最初のバイク(マメタン)以来だったけど、これいいじゃん。WMのキャプトンマフラーとシートに換装したライトチューンだけど、乾いた排気音が心地いい。
高いギアのまま低い回転からスロットルを大きく捻ると、思った以上に太いトルクで車体を押し出す。爆発のたびに後輪が地面を蹴る感じが、楽しい。へえ、いいバイクだ。気に入ったね。
学校を卒業し、社会人になり、家庭も持った。若いときの恋も遠い日の花火のように感じていた。そんなある日、よく行く仕事先の街でフト空いた時間。駅裏に、ちょっと懐かしい感じのする喫茶店があって気にはなっていた。こんな風に時間がなければ立ち寄ることは無かったはずだ。
カラン、と扉を開く音まで時代がかっている、と小さく笑いが出た。
「いらっしゃいませ」と聞こえた声に、ふと顔を上げて眼があった。
アレ?もしかして、同級生のオンナノコ?
「まあ、わかんなかったわよ。どうしたの、こんな町で」
向こうはスグに僕と分ったみたいだ。
オンナって不思議な生き物だ、とつくづく思う。同じクラスにいた時はちょっと野暮ったくて目立ちもしなかった娘が、何とも味のあるオンナになってるじゃないか。
でも変わったのは、もしかしたら彼女ではなくて、僕だったのかも知れないな…。
Keep On Riding !
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