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TT-Rさん

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XTZ125 (中国製XTZ125) 慣らし運転 

走行距離
400km

中国製ヤマハXTZ125がやって来た。ヤマハ正規販売ではないから、ユーザーマニュアルなんか付いていないのかと思ったら、ちゃんと立派な物が付いてきた。ただし、中国語だが。
XTZのマニュアルを読んででニヤリとしたのは、昔懐かしい「最高速度」の表示があったからだ。昔は、最高速度はバイクの性能を表す規準の一つで、カタログやマニュアルには必ず最高速が書いてあった。中には走行性能曲線から導き出した計算値だろうと思われる最高速もあって、どう考えても「そこまでは出ないだろう?」と思ったりしたものだ。最近は、走行性能曲線と同様、最高速の表示もなくなったが、このマニュアルにはちゃんと書いてある。ちなみに表示されている最高速は93km/hである。このモデルは馬力が落とされているので、こんなものだろう。
さて、まずは慣らし運転だ。「最近のエンジンは慣らしなど不要」という乱暴な声も一部にあるが、慣らし運転は必ずやった方がいい。慣らしが進むにつれてエンジンが軽く回るようになるのが分かる。それは感覚的なものだけでなく、アイドリング回転数が徐々に上がっていくことで数値的に証明できる。
納車されたばかりのXTZ125の完全暖機後のアイドリングは1130回転前後だ。ここから、100kmおきに正確なデジタル回転計で計測していった。距離に比例して回転数が上がっていき、400kmを越える頃には1400回転近くまでアイドリングは上昇した。もちろん体感的にもエンジンが軽く回るようになったのが分かる。
慣らし運転は「速度を抑えるように」としかユーザーマニュアルには書かれていない。マニュアルによっては、走行キロ数と使っていいい最高速度が明示さているものもあるし、回転数を指定してあるものもある。だから、ゆっくり走ることが慣らし運転のように思われているが、正しくもあり、不正確でもある。慣らし運転はエンジンになるべく負荷を掛けないように一定回転で丁寧に回してやるのがよい。加速はもっとも負荷がかかるので、なるべくしない方がいい。だから、最初の100kmぐらいは淡々と走れる郊外の空いた道路を一定速度で走るのがいい。その時スロットル開度の最も少なくてスムーズに走れる速度で走る。
XTZ125の新車状態ではトップギア40km/hでは苦しそうなので、少し速度を上げて45kmから50kmで走る。

ユーザーマニュアルは中国語で書いてあることを除けば、国内向けと比較して、それほど違った内容ではない。上がXTZ125用、下が国内向けトリッカー用だ。
さて、XTZ125の慣らし運転だが、最初の200kmぐらいまでは本当にエンジンをいたわるという感じで乗らねばならない(エンジンが回りたがらないのが分かる)ので修行に近い苦行の感があるが、200kmを越えるとエンジンも軽く回り始めて、それはそれで楽しいものになる。慣らし運転が楽しいか楽しくないかはエンジンが高回転型が低中速型によっても変わってくる。
中国産になって排ガス規制を受け、低出力化したXTZ125だが、慣らし運転は楽しいバイクだ。理由は低速からトルクの出ているエンジンにある。エンジンをあまり回さずともスルスルとバイクは発進する。
極低速でのトルクがなくてエンストしやすいグロムとの違いだ。(グロムは燃費のためにガスを薄くしてあるのか、ローギアのレシオが高いのか、アイドリング付近で発進しようとするとエンストしやすい)
そして45~55km/hで走ると豊かな中速トルクに支えられて、スロットルレスポンスもよく、静かなエンジン音、静かな排気音、低振動、本当に平和なクルージング味わえる。大柄な車体からもたらされるゆったりとしたポジションも平和なクルージングに貢献する。
思わず、「飛ばさなくもいいや」と思ってしまい、他の交通機関と競争しようなどという気が全く起きない。
これが小排気量バイクでもXR100モタード改のように115ccフルチューンエンジンを積んで、前後にハイグリップタイヤを履いていたりすると、強力無比な前後ブレーキを武器にして、下りのつづら折りで、大排気量車を負かそうなどとよからぬ事を考えてしまうが、XTZ125ではその様な邪念が一切起きない。マイペースでゆったり走って何が悪いという感じになってしまう。
たった10馬力程度の出力、オフロードでコントロール性が高いといれば聞こえがいいが、絶対制動力に欠けるフロントディスクブレーキと路面のデコボコを足の裏に伝えてしまう懐かしいドラム式リアブレーキ、おおらかなハンドリング、どう見てもグリップ力が高いとは言えそうにない中華製タイヤなど、早く俊敏に走る武器は持っていない。

XTZ125の慣らし運転をしていると、このバイクの長所がよく分かる。大柄な車体と長めのシートがリラックスしてバイクに乗れる。ハンドルの高さや形状もリラックスして乗れる形だ。戦闘的には全くならない。
ハンドリングも21インチらしい慣性質量を持ち、キャスター、トレールのジオメトリーの関係か、軽快というよりおっとりしたハンドリングを持つ。
これに乗った瞬間、トリッカーをフルサイズ化しなくて良かったと思った。21インチホイールは19インチと比べると踏破能力は格段に上がる。しかし、でかくなったホイールは確実に俊敏さを損なう。
TTR125を所有していた時もフルサイズ化には反対派だった。それぞれのホイールサイズには長所短所があり、そのバイクの性格に合ったホイールサイズを選ぶべきだ。「角を矯めて牛を殺す」ようなことはしない方がいい。
もし、KLX125と比較して迷っている御仁がおられるのなら、俊敏さや軽快さを求めるならKLX,ゆったり派ならXTZと言えるかもしれない。
トライアル的な走りをしたり、よほど凸凹のひどい荒れた林道を走ったりしない限り、19インチでも十分に林道は走れる。
KLX125はちょい乗りしかしたことがないが、中華XTZ125よりはエンジンは高回転で元気の出るエンジンだったように思うし、低速ではトルクのないエンジンだったように思う。直接乗り比べができていないので、推定でしか言えないが。
KLXは高回転向きのエンジンと19インチホイールの俊敏な車体構成から、ガンガン攻めて乗りたい人、中華XTZ125は低速に振られたエンジン特性と大柄な車体、21インチホイールのおおらかさから、ゆったりと乗りたい人に向いているのかもしれない。

平坦路を120kmほど二人乗りをしてみた。慣らし運転中は二人乗りなどしたくなかったが、事情があって走ってみた。
これが意外なことに望外に快適だった。特にリアシートの住人から評判がよかった。125にしてはシートが長めで幅が広く、比較的スポンジも厚めなことが要因だろう。それに、リアステップの位置が無理のないところにあるのもよい。XR230やトリッカーはステップ位置が高すぎて前過ぎる。セロー225はシートが狭くて後はスポンジも薄い。
50km/h前後で二人乗りして流していると高校時代を思い出す。1970年代、HT90,ハスラー90、SL90、高校生の愛車は主に90ccで、125はちょっと高級だった。当時、私はカワサキのトレールボスに乗っていたけど、90ccでツーリングも、モトクロスのまねごとも、二人乗りも、何でもしていたことを思い出す。そんな記憶が戻ってくるような感覚だった。

第1回目の給油、そして燃費。
小排気量バイクは慣らし期間中に最高燃費を記録することが多い。なるべく負荷を掛けない慣らし運転中は、小排気量バイクにとっていい燃費条件だし、慣らしが終わると高負荷条件で走らざるをえない小排気量バイクは、慣らし後は燃費を狙うような走りは滅多にできないからだ。
さて、424.7km走って、7.90L給油した。53.76km/Lの燃費だが、XTZの積算計は2.8%ほど甘い。だから積算計の補正をした正しい燃費は52.25km/Lだ。
この燃費は現代の125としていいのか、悪いのか?
現代的125の代表的なバイクであり、出力も似たような10馬力程度のグロムは、同じような慣らし運転で72.6km/Lを記録している。20kmの差を付けられていて、結構な差だ。
カタログ値ではグロム、62.7km(60km/2名乗車時)となっている。
対してXTZ125は40km/Lとなっていて、ユーザーマニュアルには条件が明記されていないが、たぶん同じような(60km/2名乗車時)だろう。
カタログ値でこれだけ差を付けられているなら、まあ、仕方のない結果だとも言える。
エンジンは同じ2バルブOHCでグロム燃焼効率が飛び抜けていいとも思えない。違いといえばインジェクションとキャブレターだ。ただ、キャブだから燃費が悪いというわけではない。私が持っていたXR100モタード改は115ccでフルチューン、減速比も加速寄りの低いもので燃費志向ではなかったが、似たような慣らし運転では60km/Lを越える燃費は出せた。
ちなみに今回のXTZ125の点火プラグが画像のものだ。中央部の焼けはまあまあだが、周辺部にはススが付いている状態だ。まだきれいに焼けるように追い込めるはずで、セミプロ級のキャブセッティングでしかない。もっと空燃比は詰められるはずだ。XR230の最終年式を持っていたが、キャブで排ガス規制を乗り越えるために、キャブは緻密なセッティングがなされていて、「キャブでここまで詰められるのか」と感心した覚えがある。
排ガス規制を受けたXTZはエンジンの回り方が少し雑だ。特に負荷がかかり始めると燃焼がきれいではなく、回り方によどみが出る。TTR125はもっときれいに回っていたように思う。
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