ご隠居さんのバイクいじり日記 「カブプロ復活計画　Vol-5」

では、新たな難題についてのお話し。

以前、バルブガイドの打ち替えと、ついでにカーボンの堆積除去の件で近所のバイク屋さんにお願いしたことをお伝えしましたよね。

そのシリンダーヘッドが20日ぶりに戻って来たのです。

バイク屋さんいわく、特殊薬品でクリーニングしたので大分綺麗になりましたよと言ってたけど感動するほど綺麗では無いような。。。

まあ、あれだけ積もって石化したカーボンなのでこれが限界かも?こんなもんで良しとしよう。

これで、ようやくエンジンが組める!

では、新品のバルブガイドに新品のバルブステムシールを取り付け、いざ、バルブを挿入してみると入らない!

何度やっても入らない!

サービスマニュアルを見ると、バルブガイドの交換をしたら"バルブガイドリーマ仕上げ"をすることと書いてある。

リーマ仕上げとは、加熱後に収縮したバルブガイドの内径を規定値に切削し芯を出すことのようだ。

そして鏡面仕上げして完成するのだ。



まままさか、リーマ仕上げをしていない?


早速、バイク屋さんにTELしバルブが入らないことを伝えた。

私「サービスマニュアルでは、リーマ仕上げをすると書いてありますが、リーマ仕上げをしましたか?」

バイク屋「えっ? どこを仕上げるんですか?」

私「どこって!バルブガイドの内径ですよ。」
「内径をバルブステムの外径に合わせなくては入りませんよ。」

バイク屋さん、電話の向こうでサービスマニュアルのページをペラペラめくる音が聞こえる。

バイク屋「あっ!すみません、うちにはバルブガイドリーマが無いんです。」

な、なんですと!

だったら最初に言ってよ!うちではバルブガイドの打ち替えは出来ませんって。

これ以上話しても埒が明かない。

どうしよう?

仕方ないのでネットで調べてバイク屋さん数店舗に当たってみました。

するとどの店も内燃機屋に持ち込めと言う。

その内の一店舗が親切に内燃機屋さんを紹介してくれました。

早速、紹介された内燃機屋さんにアポを入れ翌日にヘッドを持ち込むことにしました。

少しほっとしたので、カムシャフトの回転を見てみようと思いカムシャフトを入れると奥まで入りません。

奥のカム受けの端に当たりカム受けにスッポリと収まらないのです。

ぎゃーーーです。発狂しそうです。

まさか、バルブガイドの打ち替え時にやるヘッドの熱処理でヘッド自体に歪が生じた?

悪夢です。

後日、大雨の中、内燃機屋さんを訪ねヘッドを見てもらいました。

結果、このヘッドは使い物にならないそうです。

打ち替えたバルブガイドは斜めに食い込んで入っており、ヘッドは予想どおり歪が生じているとのことでした。

目の前が真っ暗になりましたよ。

最後に内燃機屋さんに言われたのは、新品を買うか良い出物があったら中古を買った方が良いとのことでした。

その他、色々と教えて頂きました。

・レース活動をしている店は別だが一般のバイク屋はエンジン関連の加工技術が無いのでアッセンブル以外はやらないのが常識で全て内燃機屋に外注に出す。

・ホンダのバルブガイドは他社と比べ非常に品質が良いのでよっぽどの事が無い限りバルブガイドの交換は必要ないようです。


帰り際には、いつでも遊びに来て下さいと言う暖かいお言葉を頂きました。

これも勉強代です。

今まで、他界した先輩のバイク屋以外に付き合った店もありませんでしたし、内燃機屋さんとは無縁だと思っていました。

良い勉強になりました・・・



と、しんみりしている場合ではありません。

金食い虫のオンボロ カブプロを復活させねばなりません。

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